黒板塗料と黒板シートどっちがおすすめ?メリット・デメリットなどの違いを比較

記事 オーガニックペイントサポーター 原野 光佳

監修 シックハウス診断士 加納亜由美

「黒板塗料と黒板シートのどっちを選ぶかで迷っている…」 家庭やオフィス、店舗で黒板を使いたい。けれども、塗料とシートのどちらを選択するかで悩んでいる方へ。

黒板塗料と黒板シートを比べてみると、メリット・デメリットの違いがはっきりしています。そのため、目的や用途によって、それぞれ向き・不向きもあるわけです。

施工のしやすさだけで選ぶと、「イメージと違った」「自由度が低かった」などの後悔につながることがあります。

そこで今回は、黒板塗料と黒板シートを、メリット・デメリットの違いで比較していきます。

黒板塗料と黒板シートの基本的な違い

そもそも、黒板塗装と黒板シートにはどのような違いがあるのでしょうか。

黒板塗料は、「チョークボードペイント」とも呼ばれる塗料の一種です。
一般的なペンキと同じように、刷毛やローラーで壁や家具などを塗装するだけで、塗ったところを黒板として使用できます。

一方、黒板シートは粘着剤がついた壁紙タイプのシートです。
壁や家具などに貼るだけで黒板として使用でき、剥がせるタイプであれば原状回復がしやすいという特徴があります。

黒板シートの方が気軽に施工できるイメージがあるかもしれませんが、近年はDIY人気の高まりから、黒板塗料で壁や家具を塗装する方法も普及しています。

黒板塗料と黒板シートのどちらを選ぶかで迷った場合は、メリット・デメリットを比較してから判断することが大切です。

黒板塗料のメリット

黒板塗料には、黒板シートにはない特有のメリットがあります。仕上がりの美しさやデザイン性、施工の自由度などは黒板塗料ならではの魅力です。
インテリアとのバランスやカラーにもこだわりたい方は、黒板塗料を検討してみてもいいかもしれません。

デザイン性が高い

黒板塗料と黒板シートを比べてみると、質感に大きな違いがあります。

多くの黒板シートは樹脂やポリプロピレンで製造されているため、やや光沢があるのが特徴的です。

一方、黒板塗料はマットな質感のものが多く、壁と一体化して見えるため、自然な仕上がりになります。これは、チョークの粉を引っかけるための凹凸を出すために、骨材(こつざい)や艶消し剤、天然鉱物などが含まれているためです。

この特徴から、ポスターなどを「貼っている感」がなく、空間そのもののイメージをがらりと変えられる「デザイン性の高さ」が黒板塗料のメリットといえます。

広い範囲に塗れる

塗料の量を増やせば、どんな広い面積でも塗れるのが黒板塗料の特徴です。

家庭の伝言板や店舗のメニューボードなどの小さな面積はもちろん、本棚や冷蔵庫などの家具・家電、壁一面を塗装することもできます。
そのため、もし「子ども部屋の壁自体を黒板にしたい」「内装や家具を同じ質感で統一したい」といった際には、黒板塗料のメリットは大きいです。

黒板塗料の製品によっては、公共施設などで採用されることもあり、大規模な黒板を製作するのにも適しています。

施工の自由度が高い

黒板塗料はどのような場所にも塗れる上、色の選択肢も多く、施工の自由度が高いです。

メーカーによって塗料のカラーバリエーションは異なりますが、学校の黒板のような暗い緑だけでなく、赤や黄色、ピンク、グレーなどさまざまな色が選べます。
もし、既製品の黒板塗料で気に入る色がない場合は、調色を行うことでイメージに近い色を作ることも可能です。

また、黒板塗料はさまざまな素材に塗装できるため、黒板シートが苦手とする素材でも黒板にできるのがメリットです。
例えば、次のような素材にも塗装できます。

・曲面のある円柱や丸みのある家具
・凹凸があるモルタルや漆喰、木目の板
・プラスチック製品
・コンクリートの壁

素材によっては下地処理が必要な場合もありますが、黒板塗料は基本的に素材を選ばず施工できます。

耐久性や耐候性に優れている

一般的に、黒板シートよりも黒板塗料の方が耐久性や耐候性が高い傾向にあります。

黒板シートも黒板塗料も、耐用年数は3〜5年程度とだいたい同じくらいです。しかし、黒板塗料の中には、長期使用を想定した製品もあり、10年以上の耐用年数を持つものもあります。
直射日光が当たる場所などを黒板にしたい場合は、耐候性も考慮して黒板塗料を選ぶのがおすすめです。

黒板塗料のデメリット

デザイン性や施工の自由度が高いといったメリットを持つ黒板塗料ですが、いくつかのデメリットがあります。主に準備や乾燥過程での手間や時間がかかることが起因です。これらのデメリットは、施工時の負担であり、施工後に発生するものではありません。

黒板塗料の使用を検討する際は、デメリットも理解した上で、用途や環境に合っているか判断することが大切です。

準備~施工に手間がかかる

黒板塗料のデメリットは、塗装の準備や実際の施工に手間や時間がかかることです。

黒板シートの施工では、事前準備はほとんど必要なく、用意する道具もそれほど多くありません。
一方、黒板塗料の塗装では、塗料のほかに刷毛やローラー、ローラートレイ、マスキングテープ、養生シートなどさまざまな道具が必要です。
また、すぐに塗装に入るのではなく、サンディングやプライマー塗装などの下地処理をする必要があります。

ただし、DIYや塗装にある程度の時間を確保できる場合は、大きなデメリットにならないと考えられます。特に、壁一面の塗装や黒板シートでは難しい下地への塗装では、デメリット以上のメリットを感じられるでしょう。

乾燥時間が必要

黒板塗料はペンキの一種なので、黒板として使用できるまでには「乾燥時間」が必要です。

黒板塗料が指で触れるようになる「表面乾燥」は数時間で完了することが多いです。しかし、チョークで文字やイラストを書けるようになる「完全乾燥」までには、通常24時間以上かかります。
製品や施工環境によっては数日を要する場合もあるため、急ぎで黒板が必要な場合は早めに作業を進めることが重要です。

また、2度塗りする場合は、表面乾燥後に塗装するため、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。

原状回復が難しい

賃貸物件の場合、黒板塗料を壁に直接塗装することは原則的にできません。
その理由は、賃貸物件には「原状回復」の義務が生じるためです。

原状回復とは、部屋を借りている人が、退去時に入居時の状態に戻すことをいいます。賃貸物件で壁を塗装してしまうと、入居中のトラブルに発展したり、修復のための高額な費用を請求されたりすることがあるため注意が必要です。

しかし、賃貸物件では黒板塗料が絶対に使用できないわけではありません。
壁を塗り替えることはできませんが、剥がせる壁紙を貼り、その上から黒板塗料を塗る方法もあります。また、家具や家電、小物などの塗装は賃貸物件でも可能です。

黒板シートのメリット

黒板塗料には施工の手間や乾燥時間がかかるなどのデメリットがありますが、黒板シートではそういったデメリットはあまりありません。
「できるだけ手軽に、短時間で黒板を用意したい」という場合は、黒板シートも有力な選択肢です。

手軽に貼れる

黒板シートの最大のメリットといえるのが、施工の手軽さです。
黒板シートを貼る際、壁の清掃は必要ですが、塗装のように大掛かりな養生や後片付けなどの手間がかかりません。

また、最低限必要な道具も、ハサミやカッター、メジャー(定規)などに限られます。気泡を抜き仕上がりを良くするには、製品に応じてスキージーやヘラを用意した方がよいですが、特別な工具は必要なく、DIY初心者でも比較的作業しやすいです。

原状回復しやすい

黒板シートは、貼って剥がせるタイプのものが多いため、賃貸物件でも導入しやすいです。
下地を傷つけにくいので、原状回復が必要な場合でも対応しやすくなります。

ただし、退去時に綺麗に剥がれることが前提となります。 メーカーのホームページなどを確認し、「賃貸物件対応」や「糊残りがない」などの表記があるものを選ぶと安心です。

もし心配であれば、事前に壁の目立たない部分に「試し貼り」して、剥がれやすさや糊残りをチェックしておくと良いでしょう。また、マスキングテープを貼り、その上から黒板シートを貼る方法もあります。

持ち運びや移設しやすい

黒板シートの中には、剥がしてから再施工が可能な製品もあります。

黒板塗料は、一度壁に塗ってしまうと、簡単に落とすことができません。移動できる物(家具や家電など)であれば移設できますが、再施工時は塗り直しが必要です。

軽量の黒板シートであれば、丸めて持ち運びができるため、移設が必要な場合でも最低限の手間で済みます。

黒板シートのデメリット

黒板シートは手軽に貼れて移動も可能なメリットがある反面、長期使用ではいくつか注意すべき点があります。
以下のデメリットを踏まえて、「黒板シートは用途や目的に合っているのか?」を判断することが重要です。

屋外での長期使用には向かない場合がある

黒板塗料は製品によっては屋外での使用が可能な場合がありますが、黒板シートは屋内での使用を想定したものが一般的です。
直射日光や熱に弱い性質があり、施工環境によっては耐久性が低くなることがあります。

また、「耐水性あり」「屋外対応」といった製品もありますが、長期間にわたり屋外で使用する場合は注意が必要です。雨風の影響でシート本体・粘着剤が劣化し、剥がれやすくなることがあります。

剥がれや浮きが発生することがある

黒板シートは粘着剤で貼る仕様のため、経年により粘着力が弱くなり、端部の剥がれや浮きが発生することがあります。

特に、高温多湿の環境では粘着剤が劣化しやすく、変形や剥がれの原因になりやすいです。キッチンや洗面所などの水回りに施工する場合は、耐水性や耐熱性などを確認しておくと安心です。

下地との相性によっては十分な粘着力が得られず、施工後に剥がれや浮きが発生することもあります。対応素材は製品ごとに異なるため、メーカーのホームページなどで確認しましょう。

デザインの自由度や質感に限界がある

黒板シートは、シート特有の光沢感が目立ちやすく、黒板塗料のようなマット感が表現できない場合があります。シートの「質感」によっては、空間やインテリアとのテイストがズレる可能性があるでしょう。

黒板シートはあらかじめ決められたサイズで販売されていることが多く、広い範囲に施工すると継ぎ目が発生しやすいです。
また、ほとんどは平らな面への貼り付けが前提のため、曲面や凹凸面への施工が難しい場合があります。

黒板でデザイン性を重視する場合や、空間全体の統一感にこだわりたい場合は、慎重な判断が必要です。

黒板塗料と黒板シートどっちがおすすめ?

ここまで、黒板塗料と黒板シートのメリット・デメリットを比較してきました。
もし、今の段階で「黒板塗料と黒板シートのどちらを選ぼう?」と迷っている方は、以下の比較表を参考にしてください。

項目

黒板塗料

黒板シート

施工

塗装が必要

貼るだけ

原状回復

難しい場合あり

しやすい

デザイン性

高い

製品による

色や範囲の自由度

高い

限界がある

持ち運び

基本的に不可

可能

長期利用

向いている

環境による

まとめ|黒板を導入するときは「用途」と「使用期間」が重要

黒板塗料と黒板シートにはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、用途に合わせた使い分けが必要です。

特に、長期間使用する場合や屋外で使用する場合は、黒板の「耐候性」も考慮しなければなりません。黒板シートは耐候性に注意が必要で、環境によっては剥がれや浮きが発生することがあります。
一方、黒板塗料には一般的なペンキと同じように屋外塗装に対応した製品もあり、耐候性に優れたものを選べば、長く使用できるでしょう。

設置場所や目的を明確にした上で、自分に合った黒板を選択しましょう。

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!

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