黒板塗料のおすすめ比較|メーカーごとの特徴と選び方ガイド

記事 オーガニックペイントサポーター 原野 光佳

監修 シックハウス診断士 加納亜由美

近年、黒板塗料は、家庭でのDIYや店舗・オフィスのリフォームからプロの塗装工事まで、さまざまな用途で使用されています。
国内外の塗料メーカーから多くの製品が発売されているため、「どのメーカーの黒板塗料がいい?」「安全性を優先するならどれ?」と、塗料選びで迷ってはいませんか?

特に、はじめて黒板塗料を購入する時は、メーカーごとの特徴や機能、用途などの違いがわかりにくいものです。知っているメーカーという理由だけで選んでしまうと、「臭いがきつい」「ムラになる」「イメージと違う」など、思わぬ失敗につながることも…。

黒板塗料は一見どの商品も同じに見えますが、成分や設計が違えば安全性や価格、仕上がりなどに大きな差が出ます。用途に合った製品を選ぶには、購入前の「比較」が重要です。

そこでこのコラムでは、黒板塗料のおすすめ比較をしていきます。塗料選びの判断基準となる各項目についてわかりやすく解説していくので、選び方ガイドとして読んでみてください!

黒板塗料はどう選ぶ?重視するポイント別の比較軸

黒板塗料を選ぶ際は、「何を一番重視するか?」ということが最大のポイントになります。 おおまかな選び方は、以下のとおりです。

①価格の安さを重視 →低価格の黒板塗料(国内メーカーやホームセンターの商品)

②安全性・臭いの少なさを重視 →低VOC・有害物質が少ない黒板塗料(水性塗料、オーガニックペイント)

③仕上がり重視 →品質に優れた黒板塗料(高品質の商品) このように、重視するポイントによって塗料選びの比較軸が異なります。 同じ低VOCの水性塗料でも、メーカーによって成分や設計が異なるため、安全性は全く同じではありません。

また、上記の選び方はあくまでも一例です。色や量、消しやすさ・書きやすさなど、比較軸にはいろいろあるため、失敗しないためには、複数の項目で比較することが大切です。

黒板塗料の主流メーカーと特徴|人気製品を一覧で紹介

黒板塗料(チョークボードペイント)は、塗ったところが黒板として使える塗料として、家庭や店舗、オフィスでのDIYで人気があります。
「黒板塗装にはどんな商品があるのか知りたい」という方も多いと思いますので、数ある黒板塗料の中から、主流メーカーや人気製品を一覧でご紹介します。

①バランス型の「ターナー色彩|チョークボードペイント」
②耐久性に優れた「Rust-Oleum(ラスト・オリウム)|チョークボード」
③汚れを落としやすい設計の「タカラ塗料|チョークボードペイント」
④ゼロVOCで安全性が高い「エコス|オーガニックチョークボードペイント」
⑤書きやすさが特徴の「Rustins|ブラックボードペイント」
以上の5製品で比較していきます。

ターナー色彩|チョークボードペイント

2026年で創業80周年を迎える老舗の絵の具メーカー「ターナー色彩」のチョークボードペイントです。知名度の高い国内メーカーとしての信頼と安心感が強み。
黒板塗料は水性塗料で臭いが少なく、価格が手頃で速乾性があるのがメリットです。気軽にDIY塗装したい人に人気があります。
低価格で扱いやすいバランス型の黒板塗料です。

Rust-Oleum(ラスト・オリウム)|チョークボード

日本語で「錆を止める」を意味するRust-Oleumは、アメリカのトップシェア塗料メーカーです。
一部水性タイプの黒板塗料もありますが、油性タイプの黒板塗料をメインに取り扱っています。
乾燥後に硬い塗膜を形成するため、傷に強く耐久性に優れているのが特徴的です。
油性タイプで耐久性が高い黒板塗料です。

タカラ塗料|チョークボードペイント

タカラ塗料は、1948〜1949年にかけて創業された国内大手塗料メーカーです。
チョークボードペイントは、水性アクリルシリコン塗料で、低臭・低VOCなのが特徴的。塗装後、チョークで描いたところを水拭きで消せる、汚れを落としやすい設計が強みです。
低臭・低VOCで室内塗装がしやすい黒板塗料です。

 エコス|オーガニックチョークボードペイント

1985年に誕生したエコスペイントは、40年以上の歴史をもつ塗料ブランドです。
エコスオーガニックペイントの開発者は2名のイギリス人化学者で、シックハウス症候群に悩んだのを機に、6年の歳月をかけて開発。VOCを含め、有害物質を一切排除した「完全無害」にこだわった設計が特徴的です。
安全性の高さや仕上がりの美しさだけでなく、耐久性にも配慮されています。カラーバリエーションも25色と豊富です。

安全性を優先する人におすすめの黒板塗料です。

Rustins|ブラックボードペイント

Rustinsは、家具用ワックス・仕上げ材の製造メーカーとして1924年にイギリスで創業しました。
黒板塗料であるブラックボードペイントは、光を反射しないマットブラックの仕上がりが特徴的です。水性アクリル樹脂を原料としており、低臭タイプでDIYでも扱いやすくなっています。

書きやすく光を反射しない仕上がりの黒板塗料です。

黒板塗料のおすすめ比較|失敗しない選び方ガイド

どの黒板塗料にも利点があるため、実際に購入するとなると「なかなか決められない」という方は多いと思います。
ここでは、先に挙げた主流メーカーを例に、以下の7つの項目で黒板塗料を比較していきます。
安全性
臭い
仕上がり
色(カラーバリエーション)
容量
価格
速乾性
塗料選びで失敗しないための選び方ガイドとして参考にしてください。

安全性

安全性

メーカー

特徴

エコスオーガニックペイント

オーガニックペイント・ゼロVOC・有害物質ゼロ

ターナー・タカラ塗料・Rustins

水性塗料・低VOC

Rust-Oleum

油性塗料中心・有機溶使用

安全性の視点では、ゼロVOC(VOCを一切含まない)かつ有害物質ゼロのエコスはメリットが大きいです。化学物質過敏症やアレルギー体質の方は、わずかなVOCや有害物質でも症状が出ることがあるため、エコスオーガニックチョークボードペイントはリスクを最小限に抑えたい方に向いています。

油性タイプの黒板塗料は、耐久性に優れている反面、VOCを含む有機溶剤が使用されている製品が多いです。ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなどの有害物質が含まれる場合もあるため、使用環境や換気に配慮する必要があります。

低VOCの水性塗料はVOC含有量が少なく安全性が高いですが、有機溶剤や添加剤を含む製品も一部あります。特に、赤ちゃんやペットのいる室内で塗装する場合は、成分表記をしっかりと確認しましょう。

臭い

種類

臭い

油性塗料

強い

水性塗料

少ない

オーガニックペイント

ほとんどない

上の表のように、油性塗料、水性塗料、オーガニックペイントの順に臭いが強い傾向にあります。

一般的に、油性塗料は有機溶剤を含むため、塗装時〜乾燥までに強い臭いを感じやすいです。これは、油性塗料の黒板塗料が少ない理由でもあります。
一方、水性塗料は比較的臭いが少なく、室内塗装で使用されるケースが増えています。
エコスオーガニックペイントはゼロVOC設計なので、室内塗装で使用した場合も、臭いはほとんど感じられません。

仕上がり

黒板塗料の仕上がりは、見た目だけでなくチョークでの書きやすさ・消しやすさに影響します。表面が滑らかに仕上がる塗料はチョークが引っ掛かりにくく、書きやすい・消しやすいといったメリットがあります。

主流メーカーの仕上がりを比較してみます。

メーカー

仕上がり

ターナー色彩

マットで均一

Rust-Oleum

マットで比較的滑らか

タカラ塗料

マットでムラになりにくい

エコス

マットで滑らか、均一性が高い

Rustins

マットで落ち着いた質感

黒板塗料の性質上、「マットな質感」はメーカーを問わず共通しています。

実際に使用した経験から、エコスオーガニックチョークボードペイントは、ムラになりにくく、滑らかな仕上がりになる印象でした。また、塗料の乾燥後は下地との一体感があり、「塗装した感」が少ないのが利点だと感じます。
引っ掛かりが少なくチョークで描きやすい・黒板消しや水拭きで消せるのもエコスの特徴です。

塗り方や下地の状態、下地処理の完成度によっても仕上がりが大きく変わるため、黒板塗料の選び方はもちろん、施工方法にも注意が必要です。

色(カラーバリエーション)

黒板塗料というと、学校の黒板のような暗い緑や黒色を連想する方が多いかもしれません。
メーカーにもよりますが、黒板塗料の色の選択肢は意外に多く、インテリアにも合わせやすくなっています。
黒板塗料の色の希望がある場合は、イメージに近いカラーラインナップのあるメーカーを選ぶのも一つの手です。

主流メーカーの色数を比較してみます。

メーカー

色数

ターナー色彩

7色(容量によっては2色)

Rust-Oleum

2色(+イレギュラー13色)

タカラ塗料

13色

エコス

25色

Rustins

1色

多くのメーカーでは緑と黒が定番色になっており、国内大手のターナーやタカラ塗料では、ピンク系などの淡い色も取り扱っています。
Rust-Oleumは、公式上は15色になっていますが、緑と黒の2色が中心で、ほかの色は常時在庫があるわけではない点に注意しなければなりません。

もっとも色数が多いのはエコスの25色です。エコスは、定番色のほかに、グレージュ系などのニュアンスカラーが選択肢にあるのが特徴です。他社にはないレッド系やイエローなどのカラフルな色も選べます。
一般的な塗料の3倍の顔料を使用しているため、仕上がりも鮮やか。カラーバリエーションが豊富な分、インテリアの自由度も高いです。

容量

主流メーカーの容量ラインナップを比較してみましょう。

メーカー

容量

ターナー

170ml、600ml、4L

Rust-Oleum

約1L

タカラ塗料

200g、1L、2L、3L、4L

エコス

120ml、400ml、1L、1ガロン(約4L)

Rustins

100ml、250ml、1L

Rust-Oleumを除き、どのメーカーでも少量のラインナップがあります。そのため、試し塗りや小物の塗装などは容易です。

ただし、壁一面など広い面積を塗装する場合は、ターナーやエコスなど大容量サイズのあるメーカーの方が、作業効率が良いでしょう。

価格

黒板塗料を選ぶうえで重視する方が多いのが、価格です。
価格やコストパフォーマンスはメーカーごとに大きな差が生じるため、事前によく確認しておきましょう。

メーカー

1㎡あたりの価格

価格帯・コスパ

ターナー

約740~1,500円

中・やや高い

Rust-Oleum 

約200〜350円

安い・大面積向き 

タカラ塗料

約900〜1,300円

中・やや高い

エコス

約300円

高い・コスパは中程度

Rustins

約200〜300円

安い・大面積向き

国内メーカーは、価格帯は中程度ですが、1㎡あたりの価格が若干高めの傾向にあります。一方、海外メーカーは1㎡あたりの価格が低めで、広い面積を塗装するのに向いています。

エコスは価格自体は高めですが、伸びが良い特徴から、塗布面積が広いメリットを持ちます。
1㎡あたりの価格を他社と比較してみると、コスパはそこまで悪くありません。
例えば、4㎏で塗れる範囲(2度塗り)を比較してみると、タカラ塗料では約12㎡なのに対し、エコスは約23㎡です。4畳半〜6畳の一部屋の壁が塗装できます。

速乾性

速乾性が高い(乾燥時間が短い)かどうかは、作業スピードに影響します。
特に、急ぎで塗装が必要なケースでは、乾燥時間は重要な比較項目になります。

メーカー

表面乾燥

完全乾燥

速乾性

ターナー

2時間以上

2日以上

△~やや遅め

Rust-Oleum 

30分

24時間

タカラ塗料

30分

2時間

エコス

1~2時間

24時間

Rustins

30分

6時間

※実際の乾燥時間は気温・湿度・塗布量などによって変動します。

速乾性ではタカラ塗料やRustinsが優れています。Rust-Oleum やエコスは、他社と比較すると乾燥時間は長いですが、標準的な乾燥時間であり、極端な差はありません。
そのため、速乾性は黒板塗料を選ぶ際の決定打とはなりにくく、あくまでも一要素として捉えるのがおすすめです。

 

まとめ|黒板塗料は重視するポイントで比較して選ぶのが◎

黒板塗装は、製品によって安全性や臭い、仕上がりなどに違いがあります。
どの項目を重視するかで最適な塗料が変わってきますので、「これは外せない」という項目を1〜2個挙げてから比較してみてください。

例えば、コスパを重視する場合は海外製品、入手のしやすさやバランスを重視する場合は国内メーカーといった選び方もできます。

また、エコスは安全性を最優先に考える方には最適な選択肢ですが、価格は高めです。しかし、別の視点からみてみると、カラーバリエーションの豊富さやコスパでは良い選択になります。

仕上がりのイメージを掴むためにも、購入前に色見本やサンプルを取り寄せ、実際の塗料に触れてみることが大切です。

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!

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