黒板塗料の選び方|失敗しないチェックリストと安全な選定ポイント

シックハウス診断士 加納亜由美

インテリアとしてメッセージボードやお絵かき用の壁となる黒板を取り入れるのが定番となりつつあり、人気です。
黒板は市販の黒板を買って設置することもできますが、特別な黒板塗料を塗って、黒板を作成したり、壁一面を黒板にするのも人気です。そこで、このコラムでは黒板塗料を使ってみたいけれど、どれを選べばいいのか分からないという方向けに記事を書くことにしました。

どの塗料でも見た目は似ているので同じように思えますが、書きやすさや消しやすさ、安全性、施工の難しさなどに大きな違いが出ることがあります。
用途に合わない塗料を選ぶと、出来上がった黒板が「消えにくい」「剥がれる」、または施行最中に「においが強い」といった不満につながることも少なくありません。
この記事では、黒板塗料選びで失敗しないために確認すべきポイントをチェックリスト形式で解説します。
家庭用・店舗用・子ども空間など用途別の考え方も紹介しますので、ぜひ塗料選びの参考にしてください。

黒板塗料選びで失敗が起きる理由

黒板塗料は「塗って乾いたら黒板としてチョークで書ける塗料」という点ではどれも同じに見えますが、色々なブランドから様々な黒板塗料が発売されています。
特に失敗が多いのは、見た目や価格だけで選んでしまうケースです。

消しやすさ・におい・施工難易度などを確認せず購入すると、「思ったより書きにくい」「においが強い」「剥がれる」といったトラブルにつながります。

黒板塗料はインテリア塗料というより、用途専用塗料として選ぶことが重要です。

黒板塗料を選ぶ前に確認する5つのポイント

使用場所

家庭のリビングと飲食店では、求められる性能が違います。家庭なら安全性、店舗なら速乾性や耐久性が重要になります。

下地素材

壁紙・木材・石膏ボードなど、下地によって必要な下塗りが変わります。塗料選びと同時に施工方法も考える必要があります。

消しやすさ

頻繁に書き消しする用途では、表面の質感が重要です。ザラつきが強い塗料は書きやすい反面、消えにくくなることがあります。

におい・安全性

室内では塗料の匂いや安全性が気になります。子ども部屋やキッチンでは、成分が安全でK¥外のないもの、また特に化学物質に過敏な方は成分が公開されている塗料を選ぶと使う前に確かめられるのでより安心です。

施工難易度

塗料には油性と水性タイプがあります。DIY初心者には扱いの難しい塗料もあります。初心者は水性タイプから始めるのが一般的です。

用途別おすすめの選び方

家庭用(リビング・子ども部屋)で選ぶ黒板塗料

家庭で使う黒板塗料は、安全性と扱いやすさを優先することが大切です。
黒板塗料のDIYは子供も一緒に参加するのも楽しいです。また、赤ちゃんや妊婦さんがいる家庭で塗装するかもしれません。そんな時でもVOCの入っていない安全な塗料を使えば安心して施工できます。
また、子供が毎日書き消しする黒板を作成する場合、チョークが残りにくく、消しやすい表面の塗料が適しています。
DIYで施工する場合は、水性で扱いやすく、乾きやすい塗料を選ぶと失敗が少なくなります。

店舗・カフェ・飲食店で選ぶ黒板塗料

店舗用途では、耐久性と視認性が重要になります。毎日メニューを書き換える場合は、チョークの定着が良く、かつ消しやすい塗料を選ぶ必要があります。
また、照明の反射を考慮し、完全な艶消し仕上げの塗料を選ぶと文字が見やすくなります。厨房や入口付近などでは、においが残りにくい塗料を選ぶことも重要です。
店舗では見た目の印象が集客にも影響するため、色味の深さや質感も確認して選びましょう。黒や緑だけでなく店のブランドにイメージに合わせて色を選んで黒板にするのもいいですね。

学校・保育施設で選ぶ黒板塗料

教育施設では、安全性と耐久性の両立が求められます。子どもが触れることを前提に、できるだけゼロVOCの塗料を選ぶことが重要です。 塗料が乾く段階でVOCが大気に揮発するのを避けるためです。
また、毎日使用するため、チョーク粉が落ちにくく、表面が摩耗しにくい塗料が適しています。頻繁な清掃にも耐えられる塗膜強度も確認ポイントです。

オフィス・会議室で選ぶ黒板塗料

オフィス用途では、書きやすさと清掃性が重要です。会議で頻繁に書き消しするため、ゴースト(跡残り)が起きにくい塗料を選びます。
また、マーカー用途を併用したい場合は、ホワイトボード塗料との併用や別製品の検討も必要です。オフィスでは壁一面に施工するケースも多いため、においの少なさや施工後の換気期間も考慮します。デザイン面では、黒以外のグレーやカラー黒板も選択肢になります。

屋外で使用する黒板塗料

屋外で使用する場合は、耐候性が最も重要です。一般的な黒板塗料は屋内用途のため、紫外線や雨で劣化しやすい製品もあります。
屋外で使う場合は、外装対応塗料か、上塗り保護を併用することを検討します。また、水拭き可能かどうかも確認すると運用しやすくなります。

オーガニック塗料という選択肢

黒板塗料を選ぶとき、性能だけでなく「室内で安心して使えるか」を重視する方もたくさんいます。

特にリビングや子ども部屋、飲食空間などでは、塗料のにおいや成分が気になることも多いでしょう。
一般的な黒板塗料の中には、揮発性有機化合物(VOC)を含む製品もあり、施工中や乾燥後ににおいが残る場合があります。

こうした背景から近年注目されているのが、成分の透明性や安全性を重視したオーガニック塗料です。

オーガニック塗料は、
・VOCを抑えた配合
・原料の公開
・室内使用を前提とした設計
などが特徴で、家庭空間でも安心して使いやすい塗料として選ばれています。

もちろんすべての用途で必要というわけではありませんが、長時間過ごす室内空間や子どもが触れる場所では、安全性を重視した塗料を選ぶことで安心感が大きく変わります。また、化学物質過敏症の方なら特に有害物質やVOCが含まれない塗料の選択が重要です。

黒板塗料を選ぶ際は、書きやすさや価格だけでなく、
「どんな成分で作られているのか」
「室内で使う前提で設計されているか」
といった視点も、ひとつの判断基準として考えてみると良いでしょう。

まとめ|黒板塗料は“空間に合うか”を選ぶことが大切

黒板塗料は、製品の違いそのものよりも、使う場所や目的に合っているかどうかが仕上がりを大きく左右します。

同じ黒板塗料でも、家庭のリビング、子ども部屋、店舗のメニューボードでは、求められる性能や使い方が異なります。 どこで使うのかを最初に整理することで、必要な機能や優先順位が見えてきます。

さらに、塗る下地の素材や状態を確認することも重要です。壁紙なのか木材なのかによって、適した下塗りや施工方法は変わりますし、ここを見落とすと剥がれやムラの原因になります。

そして室内で使う場合は、安全性の視点も欠かせません。においの強さや成分の透明性を確認して選ぶことで、長く安心して使える黒板スペースを作ることができます。

用途・下地・安全性の3つを順に整理して選べば、DIYでも無理なく、暮らしに馴染む黒板空間を実現できます。まずは実際の色や質感を確認しながら、自分の空間に合う塗料を選んでみてください。

黒板塗料は、選び方を少し意識するだけで、仕上がりの満足度が大きく変わります。焦らず一つずつ確認しながら、使いやすく、長く楽しめる黒板づくりを進めていきましょう。

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