壁の色で部屋の印象はどう変わる?秋の模様替えにおすすめのカラーと選び方

記事 オーガニックペイントサポーター 原野 光佳

監修 シックハウス診断士 加納亜由美

壁の色は、部屋の印象を大きく左右する要素の一つです。部屋のテイストを変えたい時は「壁の色を変える」ことも検討してみてください。
特に、秋は暑さが和らいで室内塗装しやすい気候なので、DIY塗装で部屋の印象を変えるよい機会となります。

ここで重要になるのが、色の選び方です。色にはそれぞれ異なる効果があるため、「明るく開放的な雰囲気にしたい」「落ち着ける空間にしたい」など、目的やイメージに合わせてカラーを選びましょう。

このコラムでは、壁の色で部屋の印象はどう変わるのか、秋の模様替えにおすすめのカラー・選び方を解説します。

色の影響とは?まずは色の持つ基本的な効果を知る

部屋の中でも壁は広い面積を占める部分なので、家具やインテリア以上に空間イメージに影響します。
壁の色を選ぶ時は、単に「好きな色だから」という理由で決めるのではなく、部屋がどのような見え方になるかを考えることも大切です。

壁の色を決める最初の段階として、色の持つ基本的な効果を知っておきましょう。

【心理効果】見る人の感情に影響する

色彩心理学では、色は見る人の感情や行動に影響を与えると考えられています。
たとえば、赤色はやる気や情熱、行動力を引き出すなど、「動」のイメージがあるとされています。反対に、青色や緑色は冷静さや心の落ち着きなど「静」をイメージさせる色です。

こうした色の連想イメージは、味覚や触覚など他の感覚に影響することが研究などから明らかにされています。
たとえば、温度知覚に関して「赤は熱い、青は冷たい」といった視覚からの情報により、実際の温度の感じ方が変化する可能性があります。

【視覚効果】空間の見え方に影響する

インテリアにおいては、色は空間の見え方に影響を与えるとされています。色の見え方を上手く使うことで、部屋を広く見せる・天井を高く見せる・奥行きのある印象にするといったことが可能です。

赤やオレンジ、黄色などの暖色は「進出色」と呼ばれ、手前に飛び出して見える作用があります。そのため、進出色を壁一面に塗装すると、部屋が狭い・圧迫感があると感じる場合があります。
一方、青(緑がかった青、青紫などを含む)は「後退色」と呼ばれ、塗装した箇所が後ろに下がって見える効果をもちます。

また、空間の見え方には色の明度や彩度も影響します。
一般的に、明度が高いと空間は広く感じられ、明度が低いと狭く感じられる傾向にあります。
彩度が高いと鮮やかで存在感が強くなり、壁が目立ちやすいです。反対に彩度が低いと、インテリアに馴染みやすく、空間全体が落ち着いて見えます。

壁の色を変える時は、こうした色の特性を考慮して決めると失敗しづらいです。

秋の模様替えにおすすめのカラーは?目的別の選び方

秋の模様替えで壁の色を塗り替えようと考えている方は、「家族全員が過ごしやすいリビングにしたい」「子ども部屋が狭いから広く見せたい」など、さまざまな目的があることでしょう。
壁の色は色相(色味)や明度、彩度によって見え方や印象が変わるため、目的に合わせた塗料選びが重要になってきます。

ここでは、模様替えの目的に合わせたおすすめカラーをご紹介します。

清潔感を重視・季節を問わず使える色を選ぶなら「白」

アイボリーやクリームなどを含めた「白」の壁は、空間を清潔感のある印象にしてくれます。白は無彩色でもあるため、インテリア全体をシンプルにまとめたい場合や洗練された雰囲気に仕上げたい場合にもおすすめです。
季節や流行に左右されにくい色でもあるため、頻繁な塗り替えを想定しない時でも抵抗なく使用できます。

明度の高い色は、天井を高く見せたり、空間を広く・開放的に感じさせたりするのに向いています。白はもっとも明度が高い色なので、部屋を広々とした印象・開放的な印象にしたい場合に適しています。

メリットが多い一方、壁を白一面に塗るなど、使い方によっては圧迫感や緊張感を感じることがあります。
そこで、白を基調にする際は、壁の一面だけ色を変える「アクセントウォール」がおすすめです。アクセントウォールを取り入れることで、単調になりやすい白い壁にメリハリや個性が生まれ、合わせる色によって空間の印象を変えられます。

白は秋らしいブラウンやくすみカラーとの相性が良く、これらの色を配色することで落ち着いた雰囲気も演出できます。
また、季節に応じて空間の色を変えたい場合は、塗装した間仕切りを設置する方法もあります。黒板塗装すると、メッセージ・イラストの書き消しができて使用用途が広がります。

秋冬らしい落ち着いた雰囲気にするなら「濃い色」

黒や濃いブラウン、ダークグリーン、ボルドーなどの濃い色は、秋冬らしい深みや温かさが感じられる色です。壁の色を濃い色にすることで、季節感のある落ち着いた空間を演出できます。

また、一般的に濃い色は明度が低い(暗い)ため、インテリアに用いると重厚感のある印象となります。木目調の家具などとコーディネートした場合、大人びた高級感のある空間に仕上がるでしょう。

秋らしさを感じる色と言えばブラウンですが、同じアースカラーであるグリーンとの相性が良いです。どちらの色も自然を連想させて落ち着いた印象になるため、書斎や勉強部屋など集中力が必要な場所に向いています。

ただし、濃い色で全体を統一すると、空間が引き締まって見える反面、部屋が狭く見えたり圧迫感を感じたりすることがあります。アクセントウォールで高明度の色と組み合わせたり、暗い色を床に近い場所に配置したりすると、部屋のバランスが安定しやすいです。

秋に青を取り入れるなら「深みのある青」

青は知性や冷静さ、誠実さを象徴する色で、インテリアでも人気が高いです。
明るいブルーは爽やかな印象を与える反面、涼しげな印象も強いため、視覚的に寒さを感じる人もいるでしょう。

秋に青を取り入れるなら、ネイビーなど深みのある青を選ぶのがおすすめです。
同じブルー系カラーでも、明度の低い青は重厚感があり、ひんやりとした冷たい印象が抑えられます。
壁を濃い青(ロイヤルブルー)に塗装すると静粛な雰囲気になります。寝室を落ち着いて眠れる空間にしたい場合などにおすすめです。

元気になりたい、活動的に過ごしたいなら「黄色」

黄色は暖色の一つで、「元気」「幸福」「楽しい」などポジティブなワードを連想させる色です。
色彩心理学では、黄色は神経や脳を活性化する力を持つとされており、脳の活性や食欲に関係するといわれています。そのため、元気になりたい時や活動的に過ごしたい時に適している色です。

黄色は明るく目立つ色なので、壁の色として抵抗がある方も少なからずいるかもしれません。黄色と一言でいっても、鮮やかな黄色から穏やかさを感じる黄色まで幅広いバリエーションがあり、明度や彩度によって印象が大きく変わります。

コーディネートが難しいイメージもある黄色ですが、意外にも白やグリーン、ブラウンなどとの相性が良いです。フローリングはもちろん、グレー系の床と組み合わせると、洗練されたモダンな空間を演出できます。
子ども部屋などに可愛らしい黄色を選びたいなら「バターカップ」のような明るい黄色を、リビングや玄関などに落ち着いた黄色を取り入れたいなら「レインスリッカー」のような控えめな黄色を選ぶなど、部屋の用途や目指す雰囲気に合わせて色味を選ぶとよいでしょう。

安らげる空間にしたいなら「グリーン」

グリーンはもっとも自然を感じさせる色であり、心を落ち着かせる色です。
自然素材である木製家具や観葉植物、木目調デザインとの相性がよく、畳やフリーリングなど床の材質を問わず安らげる空間に仕上がります。

また、一般的に緑色は進出色でも後退色でもないため、色相による「空間の狭さ、広さ」の影響が少ないのが特徴的です。そのため、壁全体を同じ色で塗装したい時に向いています。

ただし、壁一面を塗装する場合は「明度」を考慮する必要があります。
濃いグリーンを広い面積に塗装した場合、明度の低さ(暗さ)による圧迫感が生じる可能性があります。反対に、明るい緑や黄みがかった緑を選ぶと重たくなりにくいです。
濃いグリーンは秋らしさを感じられる色で、季節感を演出するのに向いています。
もし、壁に取り入れるのであれば、以下の工夫をプラスしてみてください。

・アクセントウォールで一部分のみダークグリーンにする
・温かみのある電球色の照明を合わせる
・白やアイボリー、ベージュなど明るい色の家具を組み合わせる

季節感と居心地の良さを両立させるには、壁の色だけでなく、家具や小物、照明などインテリア全体でコーディネートすることがポイントです。

狭い部屋を広く見せたい場合は何色が効果的?

「部屋が狭いので広く見せたい」という場合は、色の配置を工夫して奥行きを感じさせることがポイントです。

・壁の広い面や天井などを白やアイボリー、ベージュなどの明るい色にする
・奥の壁や一部分だけを黒やネイビーなどの暗い色にする

このような配色にすると、視線が奥の壁に向きやすくなり、部屋全体が広く見えやすいです。反対に暗い色を多く使うと、空間の狭さが強調されやすくなるため注意しましょう。
白系以外の選択肢では、淡いグリーンも挙げられます。 日本色彩学誌に掲載された実験では、淡いグリーンや淡いブルーはニュートラルカラー(無彩色や彩度の低い色)に比べて「広い」印象を持つ人が多いという結果が出ました。

また、壁の色とは視点が異なりますが、狭い部屋を広く見せる方法として、次のポイントも意識してみましょう。

・低めの家具を設置する
・大きめの家具は壁際に寄せる
・床に物を置きすぎない
・床と家具を近い色にする
・黒などの濃い色は小物に取り入れる
・カーテンやラグなどは明るい色にする

家具の選び方や配置、色の組み合わせによっても空間の印象が大きく変わってきます。
模様替えの際は、壁の色だけでなくインテリア全体のバランスを考えることが大切です。

まとめ|秋の模様替えで壁を塗り替えれば部屋の印象がガラリと変わります

今回解説したように、壁の色によって部屋の印象は大きく変わります。

色味だけでなく、明度や彩度によってもイメージが全く異なることがあるため、「季節感を重視するのか」「部屋を広く見せたいのか」など、部屋の用途や模様替えの目的を明確にして色選びを行うことが重要です。

秋らしさを入れつつ狭い部屋を広く見せたい場合は、ベースに明るい色を選び、濃い色をアクセントカラーに取り入れるのがおすすめです。
色の感じ方や空間の広さに対する印象には個人差もあるため、色見本やサンプルを確認してから選ぶとよいでしょう。

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!

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