しかし、いざ塗装するとなると「壁紙を剥がさずペンキって塗れるの?」「どんな壁紙でも塗装できるの?」など、さまざまな疑問や不安が生じます。
壁紙の種類や状態によっては、壁紙を剥がさずにペンキを塗ることは可能です。
ただし、すべての壁紙に塗装できるわけではなく、壁紙の種類や状態を確認する必要があります。
このコラムでは、壁を張り替えずに「塗り替え」を検討する方に向けて、壁紙の上からペンキを塗る時の失敗を防ぐポイントを解説します。
壁紙を剥がさずにペンキを塗ることはできる

壁紙を張り替える場合、既存の壁紙を剥がしてから新しい壁紙に貼り直す必要があり、クロスの採寸や裁断などの工程もあるため、DIYでは時間も手間もかかります。
しかも、壁紙によっては、アスベストなどの有害物質が含まれている可能性があり、剥がすとこれらの物質が出てくる場合があります。古い壁紙(特に1970〜1990年代に建てられた住宅)にはアスベストが含まれるリスクが高めなので注意が必要です。
一方、壁紙を剥がさずにペンキで塗り替えれば、既存の壁紙を剥がす必要はありません。
そのため、今ある壁を活かして壁の色を変えたい、というのであれば、塗装は有力な選択肢となるでしょう。
どんな壁紙ならペンキを塗れる?凹凸のあるクロスでも大丈夫?

日本の住宅で一般的に用いられているビニールクロスは、基本的にはペンキで塗装することが可能です。
ビニールクロス
ビニールクロスは、塩化ビニル樹脂(プラスチック)を主原料とした壁紙です。ビニールクロスは内壁材の中でも安価で加工がしやすく、耐水性があるため水拭きもできます。ビニールクロスは水を吸い込まない壁紙なので塗料の吸い込みがなく、表面に塗膜を形成します。そのため、壁紙の上からペンキを塗っても吸い込みによる色ムラなどができにくいのがメリットです。
凹凸のあるクロス
では、凹凸のあるクロスはどうなのかというと、必ずしも塗装できないわけではありません。形状や段差の程度によっては、そのままペンキを塗ると壁紙の模様や凹凸が残る可能性はあります。これは、下地に対して塗料が均一に入りにくいためです。壁紙の凹凸を軽減する方法として、ペインタブルテープを貼るというのがあります。
このテープは、塗装下地用のマスキングテープで、壁紙の上に貼ることで塗装しやすくするものです。
賃貸住宅など原状回復が必要な壁紙もペンキで塗り替えることができるため、「賃貸だから塗装できない」と悩んでいる方は、ペインタブルテープの上からの塗装も検討しましょう。
汚れ防止機能のあるクロス
防汚クロスや撥水加工がしてある壁紙など、汚れ防止機能のあるクロスは、水分を弾く性質をもつので、ペンキも弾いてしまいます。そのため、塗料が密着しにくい可能性がありますが、必ずしも塗装できないというわけではありません。
壁紙の上からペンキを塗れるかどうかは、メーカーの情報を確認するようにしましょう。
その上で、実際に塗装する際は、事前に目立たない場所で試し塗りし、仕上がりを見ておくと安心です。
そのままペンキを塗らないほうがいい壁紙とは?

「この壁紙にそのままペンキを塗っても大丈夫?」と不安に思った場合は、以下の項目をチェックしてみてください。
壁紙が剥がれかけている場合は?
ペンキが塗れる壁紙でも、剥がれかけている壁紙や浮き・めくれがある壁紙にはそのままペンキを塗らないほうがいいです。剥がれかけている壁紙の上から塗装してしまうと、塗りムラや段差などができて見映えが悪くなり、ペンキの重みで剥がれが広がる恐れがあります。そのため、壁紙の問題がある箇所を補修してから塗装するのがおすすめです。
壁紙の端のほうが剥がれかけている程度であれば、壁紙用の接着剤で貼り直すことができます。
もし、壁紙の広範囲に浮きがある、下地(壁材)まで傷んでいるようであれば、原因の確認や張り替えの検討も必要です。
壁紙にカビが生えている場合は?
壁紙にカビが生えた時、「カビの上からペンキを塗れば隠れるのではないか」と考える方は多いと思います。しかし、カビはペンキの塗膜の下でも繁殖することがあり、下地(壁材)を傷める可能性があるため、カビの上にそのままペンキを塗らないほうがいいです。カビが生えている壁紙にペンキを塗りたい場合、カビの原因ごとに適切な対処を行い、カビを除去してから塗装するようにしましょう。
汚れ・油・ヤニが付着している壁紙は?

「この壁紙はまだまだ綺麗だな」と思っても、意外にも多くの汚れが付着しているものです。キッチンであれば調理油が、喫煙する人の部屋であればヤニが付着しています。日常的に使用している居室では、調理や喫煙をしなくても、皮脂や手垢などが付着している可能性があります。
そのため、壁紙の汚れはしっかりと除去してから塗装した方が良いです。きちんと掃除をしないと、後から浮き上がったり剥がれたりすることがあります。
ビニールクロス以外の壁紙は?
壁紙と一言でいっても、ビニールクロスや和紙、紙クロス、布クロス、珪藻土クロスなどさまざまな種類があります。ペンキはどんな素材の壁紙にも塗れるというわけではなく、一般住宅で塗装できるのはビニールクロスのみといわれています。・和紙や紙クロスは水分に弱く、ふやけたり破れたりしやすい
・布クロスは塗料を吸収しやすく、多くのペンキを必要とする
・珪藻土クロスは水分でシミになったりひび割れたりしやすい
・オレフィン系クロスは密着性が悪くペンキをはじいてしまう
このような特性があるため、ビニールクロス以外の壁紙にペンキを塗ることは推奨されていません。
ただし、必ずしも塗装できないというわけではなく、専用の塗料を選んだり適切な下地処理を行ったりすることで塗装できる場合があります。また、「オガファーザー」と呼ばれる紙クロスであれば、塗装用の下地として使用が可能です。
壁紙の上からペンキを塗る前に必要な下地処理

壁紙の汚れ・油・ヤニを落とす
まずは、壁紙に付着した壁紙の汚れ・油・ヤニを綺麗に落とします。掃除が不十分だと、塗装後に汚れが浮き出てくることがあるため、中性洗剤などで拭き掃除を行うのがおすすめです。一般的なビニールクロスであれば基本的に水拭き可能ですが、掃除方法は壁紙の種類によって異なるため、すべての壁紙が水拭きできるとは限りません。
壁紙の素材やメーカーごとのお手入れ方法を確認し、場合によっては乾いた布や掃除機など、水を使用しない方法で掃除することになります。
もし、水拭きできない壁紙に落とせない汚れが付着している場合は、塗装作業を進めず、汚れ箇所の補修や張り替えなども検討します。
壁紙の剥がれや浮きなどを補修する
壁紙が剥がれかけている場合や浮きなどがある場合は、不具合箇所を補修してから下塗りを行います。壁紙を補修するのに必要な道具は主に以下の6点になります。
・補修用の壁紙
・マスキングテープ
・カッターナイフ、はさみ
・壁紙用接着剤
・ジョイントローラー
・ヘラ
手順を以下に説明します。
マスキングテープで不具合箇所を囲う。
補修用の壁紙を不具合箇所に合わせてカットする。
壁紙用接着剤で貼り付け、ジョイントローラーを転がして圧着する。 マスキングテープを剥がす。
補修後は、接着剤が十分に乾燥してから次の工程に入るようにしましょう。
下塗りを行う

下塗り剤として一般的なのはシーラーとプライマーで、ビニールクロスに塗装する場合はプライマーが向いています。
下塗り剤を塗る前に、壁紙をサンドペーパーで研磨する(サンディングする)と、塗料の密着性が高くなります。サンドペーパーは目の粗さによって番手があり、壁紙塗装前の目粗し(足付け)では#240~#320が使用されることが多いです。
ペンキを塗った壁紙は、将来剥がせる?

結論からいうと、ペンキを塗った壁紙は剥がすことが可能で、必要に応じて張り替えも可能です。ペンキは壁材に壁紙を接着するものではないため、「塗膜の分、厚みが出て剥がしにくくなる」可能性はあれども、剥がれないケースは少ないです。
ただし、壁紙の素材や使用するペンキによって剥がしやすさが違ってくるため、事前にメーカー情報の確認をしておくとよいでしょう。
紙クロスのように塗料の吸い込みが多い素材や裏打ち紙のないクロスなどは剥がしにくくなったり、施工前と同じように綺麗に剥がせない可能性があります。
また、ペンキの粘度が高いほど塗料の浸透もしにくいため、壁紙が剥がしやすい傾向にあります。
壁紙の塗装に対応したペンキを選ぶことも重要
可塑剤とは、壁紙に柔軟性を与えるために含まれるもので、主にフタル酸エステル系の成分です。この成分が壁紙に移行してしまうと、壁紙がベトベトする状態になることがあるため、これを防止するために壁紙の塗装に対応したペンキを選ぶことが重要になります。
まとめ|壁紙の上からペンキを塗って壁を好きな色に変えよう
壁紙の種類や状態によっては、張り替えなくても今ある壁を塗装する方法も選択できます。「白い壁に飽きた」「もう少し明るい色の壁にしたい!」「部屋を落ち着いた印象に変えたい」など、壁紙の色を変えたいと思った時は、張り替えではなく塗装を検討してみてはいかがでしょうか。
ペンキを選ぶ際は、壁紙の塗装に対応しているかどうかも重要ですが、カラーバリエーションが気になる方も多いと思います。自分の好きな色にできるだけ近い色を選びたい方は、エコスのオーガニックペイントがおすすめ!エコスには、落ち着きのある寒色から明るく温かみのある暖色まで、幅広い色の選択肢があります。

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!
