このように、室内空間が快適でないと感じる時、もしかすると室内の空気の汚れが原因かもしれません。
室内の空気の汚れは、部屋の臭いだけでなく、健康や集中力、そして生活の質(QOL)に影響を与えます。そのため、室内の空気は常にきれいにしておきたいものです。
しかし、誤った方法で対策を行うと、かえって部屋の臭いが気になったり、体調不良を起こしたりすることがあるため、原因に応じた適切な対策が必要です。
このコラムでは、原因別の室内の空気をきれいにする方法や、対策のポイントを解説していきます。
目次
室内空気の重要性と人に与える影響

人体が摂取する物質の一日の摂取量を割合で示すと、室内空気が57%ともっとも多くを占めます。公共施設の空気や産業排気、外気などをあわせると、空気の割合は83%にも及ぶことになるのです。
そんな空気が汚れていると、アレルゲンや化学物質など、体にとって良くない物質も一緒に摂りこむことになります。
空気が汚れる主な原因は、以下になります。
・VOC(揮発性有機化合物)
・ホルムアルデヒド
・カビ、ダニ
・ハウスダスト
・花粉やPM2.5
空気が人に与える影響は、目や鼻などの粘膜への刺激症状や、呼吸器系の疾患、アレルギー、化学物質過敏症、シックハウス症候群などさまざまです。
室内空気は、目に見える健康への影響だけでなく、集中力や生活の質(QOL)にも影響するため、快適な生活を送るためには無視できません。
【原因別】室内の空気をきれいにする簡単な方法

「空気をきれいにするなんて、難しそう」と思うかもしれませんが、意外にも簡単な方法で室内の空気はきれいにできます。
ここでは、原因別に室内の空気をきれいにする方法を紹介します。
VOC・ホルムアルデヒド|こまめな換気と正しい製品選び
室内の空気をきれいにするもっとも簡単かつ効果的な方法が「換気」です。VOCやホルムアルデヒドなどの化学物質を屋外に排除するには換気は必須といえます。
特に、新築時やリフォーム時はVOCなどの放散量が多いため、こまめな換気を徹底しましょう。
換気を行う際は、ただ窓を開ければいいというわけではなく、室内全体の空気を入れ換えることを意識することが大切です。そのため、対角線上にある窓を二ヶ所以上開けるのが望ましく、もし1ヶ所しか窓がない場合は換気扇や扇風機を回しておくと良いです。
|
製品 |
選び方 |
|
塗料(ペンキ・下塗り剤) |
低VOCやゼロVOC、水性塗料、オーガニックペイント、自然素材の塗料 |
|
接着剤 |
低VOCや無溶剤タイプ |
|
建材・内装材 |
F☆☆☆☆☆(フォースター)など放散量が少ないもの |
|
家具 |
低VOCや低ホルムアルデヒド製品 |
カビ・ダニ|湿度管理と換気で発生を防ぐ

カビもダニも、湿度60%以上・室温20〜25℃の環境で繁殖しやすいため、湿度が60%を下回るよう、エアコンや除湿器を活用しましょう。
VOC対策だけでなく、カビやダニ対策にも換気は有効で、冬場の結露防止やカビやダニが好む水分(湿気)を取り除くのにも効果が期待できます。窓周辺以外にも、見落としがちなクローゼットや家具と壁のすき間、床などの結露や湿気にも配慮が必要です。
また、ダニのフンや死骸は少量でもアレルギーの原因になるため、室内の埃をこまめに取り除くことやエアコンの掃除を行うことも重要です。
ハウスダスト|掃除・換気・洗濯を組み合わせる

室内に埃が溜まっている場所があると、ハウスダストによるアレルギー症状や喘息などが起こりやすくなるため注意が必要です。ハウスダストは、目にはほとんど見えない微細な埃のことをいい、ダニの死骸やフン、カビ、花粉、食べ物のくず、細菌などさまざまな物質が含まれています。
床面や背の低い家具・家電の上などは室内の中でも埃が溜まりやすい箇所なので、日頃から掃除を心がけるのがおすすめです。
換気を行うタイミングは、掃除中ではなく掃除の10〜15分くらい後が良いとされています。これは、掃除によって舞い上がった埃を外に追い出しやすくするためです。
また、ハウスダストは布団をはじめとする寝具にも付着しているため、丸洗いをするなど、しっかりと除去するようにしましょう。ハウスダストは布団を干すだけでは完全に取り除けないため、水洗いすることが大切です。
古い塗膜|劣化した壁の補修や低VOC塗料での塗り替え

もし、古い塗膜が気になるようであれば、まずは比較的取り入れやすい対策法として、壁の塗り替えを行ってみてください。 DIYでも可能ですが、油性塗料はVOCを多く含むため、低VOC塗料やゼロVOC塗料がおすすめです。
ただし、塗膜の劣化が著しい場合や、原因不明の体調不良が続く場合は、専門業者に相談しましょう。必要に応じて、塗膜の剥離・除去、補修などを行うことになります。
室内の空気をきれいにする専門的な方法

主にVOC対策が中心ですが、室内空気をきれいにするには有効な方法なので、参考にしてみてください。
換気設備や空調設備の見直し
室内空気をきれいにするには、換気設備や空調設備の見直しが必要な場合があります。換気量が不足していたり、フィルターに汚れが溜まっていたりすると、埃やハウスダスト、化学物質などが室内に残りやすくなります。
換気設備や空調設備の性能や状態を確認し、必要に応じてメンテナンスやクリーニングを行いましょう。
室内空気質(IAQ)の測定を依頼する
室内空気質(IAQ=Indoor Air Quality)とは、室内における空気の質が、住んでいる人の健康に与える影響を評価する概念のことです。IAQの評価を決める主な指標は、次の4つが基準となります。
・CO2(二酸化炭素)
・PM2.5(微小微粒子状物質)
・TVOC(総揮発性有機化合物)
・温度、湿度
室内空気質を測定することで、どの物質の濃度が高いのかが「見える化」できるため、室内空気改善のための課題が明確になります。また、シックハウスなどの症状の原因特定にもつながります。
市販の空気質測定器でも目安を把握できますが、物質ごとの正確な濃度測定は難しいため、原因特定などが必要な場合は専門業者への依頼を検討しましょう。
ベイクアウトでVOCを放散させる

VOCを放散させた後、換気を行って室内空気を改善します。
VOCの種類によっては、ベイクアウトで数十パーセントの減衰効果があることが報告されています。
家の空気対策として広く知られている一方、化学物質の使用箇所によってはかえって濃度を高くしてしまうとの指摘もあります。また、温度を上げすぎることで内装材や建具を傷める可能性があり、実施前に原因特定や計画性が必要です。
そのため、自己判断ではなく専門家の指示のもとで行うことが推奨されます。
発生源を見直すリフォームの実施

古い塗膜やVOCを多く含む油性塗料が室内空気質を低下させている場合、塗膜を剥離して塗り直す方法が効果的です。塗膜くずには有害物質が含まれる可能性があるため、専門業者に依頼して、安全性を確保しながら作業を進めると安心です。
塗り直す塗料は、VOCの少ない水性塗料やVOCを含まないオーガニックペイントがおすすめです。
もし、建材や接着剤などからのVOCが原因であれば、低VOC製品への切り替えも検討することになります。
まとめ|室内空気をきれいにするには原因に応じた対策が必要
室内空気改善のためには、部屋の空気が汚れる原因を知り、それぞれにあった対策を行うことが大切です。換気や掃除、湿度管理に加え、塗料や建材などから発生するVOC対策にも取り組むことで、家の空気環境を快適に保つことができます。まずは、壁のDIY塗装をはじめてみて、楽しみながら室内環境を見直すのがおすすめです。空気がきれいな家で、伸び伸びと健康的に過ごしていきたいですね!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!
