黒DIY塗装で失敗しないために!養生の基本手順と注意点を解説

記事 オーガニックペイントサポーター 原野 光佳

監修 シックハウス診断士 加納亜由美

DIY塗装では、ペンキの塗り方に注意を取られがちですが、失敗を防ぐためには「養生」がかなり重要な工程になります。
養生をしなかったり適当にやったりすると、塗装したくない箇所にペンキが飛んでしまう・境界線に凹凸ができる(真っ直ぐじゃない)といったミスが発生する恐れがあります。特に、壁塗装などで塗り分けが必要な場合は、単なる下準備でなく、塗装の一環と読んでも差し支えないくらいです。

このコラムでは、養生の基本手順をわかりやすく説明するので、これからDIY塗装を始める方の参考になればと思います。失敗を防ぐコツや注意点もあわせてご覧くださいね!

養生とは?必要性や行うタイミングは?

DIY塗装の初心者の方は、「そもそも、養生とは何のこと?」「養生を行う必要性って?」「養生はいつやるものなの?」といった疑問を持つかもしれません。

塗装における養生とは、ペンキを塗りたくない場所を保護することです。
例えば、壁を塗装する際、それ以外の場所にペンキが飛散しないようにするため、床や家具を養生します。
また、壁の一部だけ塗装する場合や図形を描く場合など、部分施工を行う時にも養生が必要です。養生を行わないと、美しく自然に仕上げるのが難しくなります。さらに、塗装の際に壁や床、家具などを傷から保護する役割もあります。

つまり、養生は「ペンキの飛散防止」「デザインのため」「傷防止」の3つの目的で行われるものです。

養生を行う基本のタイミングは、塗装作業のはじめ、下地処理の前になります。
一般的な塗装の工程は以下の通りです。

1、養生
2、清掃、ペーパー掛け
3、下地処理(下塗り)
4、塗装(必要に応じて2度塗り、3度塗り)
5、後片付け

養生は、塗装の土台となるとても大切な工程なので、基本を押さえておきましょう。

DIY塗装の前に!押さえておきたい養生の基本手順

まずは、基本となる養生の手順を押さえておきましょう。

必要な道具を揃える

DIY塗装を行う当日までに、次の道具を用意してください。

①養生シート
床など広い面を覆うのに使用します。新聞紙でも代用可能です。
②マスキングテープ
紙製のテープで、主に養生シートや新聞紙を固定するのに使用します。
また、コンセントなど狭い範囲を養生するのに使います。
③マスカー
養生シートが付いたタイプのマスキングテープで、広範囲を養生するのに便利です。
④ウエス(布)
塗装面を清掃するのに使用します。綿など埃の出にくい素材を選びましょう。
⑤カッター、はさみ
養生シートやマスキングテープを切るのに使用します。

以下の2点は、必須ではありませんが、必要に応じて用意してください。
⑥ドライバー
壁を塗装する際、コンセントカバーを外すのに使用します。
⑦足場(脚立)
壁や天井などの高所を養生する時に使用する場合があります。

これらは塗装の養生をするのに最低限必要ですから、忘れないようにチェックリストを作っておくのがおすすめです。

室内の整頓と掃除

養生を始める前に、室内の整頓と掃除を行います。
大前提として、壁を塗装する際は壁際の家具や家電を移動させ、スイッチ周りなどで外せるものがあれば同時に外しておきましょう。コンセントカバーの上からでも養生はできますが、取り外しておくとよりきれいに仕上がります。

また、床を塗装する際は床面の物はすべて移動させ、作業の邪魔にならないようにします。塗装する場所や範囲にもよりますが、細かいものを個別に養生するのは手間がかかるので、別室に移動できる物は事前に移しておいた方が作業しやすいです。なるべく作業スペースを広くとっておくと、作業効率が上がります。

下地(塗装面)が埃や油分で汚れていると、マスキングテープだけでなく、下塗り材(プライマーやシーラー)やペンキの密着性も低下するため、下地の掃除もします。

端にマスキングテープを貼る

ペンキを塗る場所と塗らない場所の境目を分けるために、マスキングテープを貼ります。壁と壁の境目や、ドアや窓などの建具の見切り部分をきれいに仕上げるために必要です。

端からペンキが垂れたり流れたりしやすいため、しっかりと貼り付け、粘着力が弱すぎないか確認しましょう。(あまり粘着力が強すぎると、下地が剥がれる・傷める原因になるので注意が必要です。)
途中でテープが不足して継ぎ足しにならないよう、少し多めにとって貼り付け、長い分をカッターやはさみで切ります。
一度にペタッと貼ろうとするよりも、端から少しずつ押さえながら貼っていくとすき間ができにくいです。

DIYで使用されるテープにはいろいろな種類がありますが、塗装の養生に向くものと向かないものがあるので使い分けが必要です。<br><br>

例えば、段ボール梱包などに使用される「布テープ」は粘着力が高いため、壁などに直接貼るのは避けた方が良いです。養生テープは、その名称通り養生を目的としたテープですが、粘着力が高い製品もあるため、下地の素材によっては先にマスキングテープを貼ります。マスキングテープは、上記2種類のテープに比べて粘着力が弱いため、剥がれやすい下地や塗装の際に向いています。

床を養生する

養生シート(もしくはマスカー)を床に広げ、先に貼ったマスキングテープの上にテープを重ねて貼っていきます。この時、先に貼ったテープが1㎝程度見えるように重ね貼りするのがポイントです。
テープとテープが重なったところは、段差による隙間ができやすいので、ペンキが侵入しないよう注意しましょう。

マスカーを貼った場合でも、上から養生シートを敷くなどして、ペンキの漏れを防ぐとより安心して塗装できます。床の養生シートがあまりに薄いと、歩いたり塗装用具を引っ掛けたりした時に破れることがあるので、しっかりと厚みをもたせることが大切です。
また、養生シートは広げただけだと作業中によれてきてしまうため、ズレないようにテープで固定しておくと良いです。

床を養生する時は、一般的なビニールシートや新聞紙ではなく、床用の養生シート(ノンスリップシート)を使用すると安全性が高まります。養生する前に、足元が安定するか?滑りやすくないか?を確認しておきましょう。

コンセントや家具を養生する

壁を塗装する場合は、コンセントの露出部分をマスキングテープで覆います。窓やドアなどの建具は、マスカーを使って養生します。
また、移動できない家具などは、養生シートや新聞紙などで覆ってからテープで留める、もしくはマスカーを使って養生しましょう。高所を塗装する場合、エアコンも忘れずに養生してください。

壁や天井の養生

室内塗装では、床はどこを塗装する場合でも基本的に養生が必要です。しかし、壁や天井は状況に応じて養生を行います。 壁の養生が必要なのは、以下のようなケースです。

・アクセントウォールなど、壁の一部だけを塗装する
・天井を塗装する
・大型家具などを塗装する

見落としがちですが、天井を塗装する際は、壁にペンキが垂れる可能性が高いです。
壁全面の養生は必須ではありませんが、天井に近い壁(上面)の養生は行う必要があります。

天井の養生は、壁の上部を塗装する際に必要です。ローラーが天井面に触れる可能性があり、ペンキが天井に付着するのを防ぐために行います。
天井を全面的に覆う必要はありませんが、境界を含めて壁に近い部分はしっかり養生した方が良いです。

また、古民家などで和室の塗装リフォームを行う際は、柱や鴨居など木部の養生を行うケースがあります。逆に、柱などの木部を塗装する際は、床・壁・天井の養生が必要になる場合があります。

塗装完了後の養生の外し方

塗装が完了した後は養生を外していきます。マスキングテープを剥がすタイミングは、塗料が完全に乾く前の「半乾き」の時です。完全乾燥後にマスキングテープを剥がそうとすると、テープの粘着力で塗膜まで剥がれてしまうことがあるので注意しましょう。

シートを内側に巻き込むようにして外していくと、意図しない場所にペンキが付着するのを防げます。コンセントやエアコンなど、細かい場所の養生を外すことも忘れないようにしましょう。

DIY塗装の際は、養生の取り付け~取り外しまでの全工程を当日中に行わなければならないことが多いため、その時間も含めてスケジュールを組む必要があります。

養生で失敗しないためには塗料も関係ある!?

DIY塗装の養生における「失敗」とは、すき間からのペンキの漏れやテープを剥がす際の塗膜剥離などが挙げられます。
こうした失敗を防ぐためには、塗料の状態も少なからず関係しています。

適度な粘度があり、攪拌によって均一になったペンキはにじみが起きにくく、養生の影響を受けにくいです。また、下地とペンキが十分な密着性を保っていると、テープを剥がす時に塗膜が剥がれるリスクも低減します。塗料の粘度や下地との密着性(下地との相性)も確認しておきましょう。

例えば、エコスオーガニックペイントには、ペンキとして適度な粘度を持たせるために、以下の成分が「増粘剤」として含まれています。

・石灰石
・天然鉱物(大理石)の粉
・炭酸カルシウム
・貝殻やサンゴの粉

これらの増粘剤は、ペンキの垂れを防ぎ、塗装の仕上がりを安定させるのに役立っています。

 

まとめ|DIY塗装の前に、養生の基本を正しく理解することが重要です

「塗装の下準備」としての意味合いが大きい養生ですが、実際には塗装の仕上がりを左右する重要な工程です。正しい方法で養生しないと、ペンキの垂れやにじみなどの失敗に繋がります。特に、自分で塗装するのが初めての方は、「養生で失敗した…」となると、DIYのモチベーション維持に関わるため、納得できる仕上がりにしたいものです。

失敗を防ぐには、DIY塗装を始める前に、養生の基本を正しく理解することが大切です。
養生に必要な道具を揃えるところから始まり、掃除の仕方やマスキングテープの貼り方など細かなところも慎重に進めることで、DIYでも綺麗な仕上がりを目指せますよ!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!

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