近年、地球温暖化や大気汚染など、社会全体の環境問題に対する意識が高まっています。 身近なところでは、住んでいる場所の空気や室内空気などに関心がある方も多いのではないでしょうか。 大気汚染の原因の1つに、VOC(揮発性有機化合物)などの有害物質が挙げられます。VOCは建材や家具、塗料などから多く放出される物質で、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因にもなるとされています。 環境問題対策のためにも、健康被害をなくすためにも、有害物質を除去する取り組みを行いたいものです。 従来、塗料は有害物質を放出するものと捉えられてきましたが、今は「有害物質を閉じ込める塗料」も登場しているんですよ!このコラムでは、家庭でできる有害物質の除去方法をご紹介します。
目次
みんなの身近な環境への関心や不安点は?
私たちの健康を脅かす恐れがある有害物質は、人工物だけでなく自然界の中にも存在します。
世間の人たちがどれだけ環境に関心があるのか、どのような点に不安を抱いているのか。インターネットでリアルな声を調査してみました。
気候変動や室内の空気汚染が気になる

2022年にエアコン大手のダイキンが行った「現代人の空気感調査」では、「あなたが空気について気になることは何ですか?」という質問に対し、もっとも多かった回答が51.8%の「室内にこもった生活臭や屋外に漂う不快なニオイ」でした。これに続き、51.2%の人が「空気中を漂うウイルス・細菌」、30.4%の人が「室内に漂う各種アレルゲン(ダニ・カビ・化学物質」と回答しています。
20年前に比べ、屋外の空気汚染よりも室内の空気汚染を気にしている人が増加していることがうかがえます。
実際、アメリカ合衆国環境保護庁によると、室内の空気汚染レベルは屋外の2〜5倍という見解になっています。
VOCなどの有害物質は自然界からも放出される

VOCとは揮発性有機化合物のことで、有害物質の一種です。
VOCなどの有害物質は、大気汚染の原因になり、健康リスクを高めるため問題視されています。それだけでなく、私たちが不安に思う気候変動にも影響を与える可能性があるのです。
気候変動にかかわる有害物質というと、以前は排気ガス由来の炭化水素や冷房由来のフロンから排出される認識がありました。VOCを多く排出するものとしては、建材や家具、塗料が知られています。
最近は、それらに加えて自然由来の有害物質も人体や環境に影響を及ぼすことが懸念されています。
こうした背景から、社会全体での有害物質除去への取り組みが重要になってきています。
家庭でできる有害物質の除去方法

私たちの身近には、VOCをはじめさまざまな有害物質が存在しています。 例えば、家庭用品に使用されるPFASや大気、水に含まれるヒ素、顔料や農薬に含まれる重金属などが挙げられます。身近な有害物質については、別のコラムで解説しているので、あわせてご覧ください。
屋内は屋外以上に空気が汚染されている可能性があるため、快適かつ健康的に過ごしていくには、有害物質から身を守る必要があるでしょう。完全に排除することは難しくても、摂取量を減らすことは可能です。
以下では、家庭でできる有害物質の除去方法をご提案します。
空気清浄機を使う

しかし、最近はさらに高性能な空気清浄機が登場し、ホルムアルデヒドなどガス状の物質を吸着、分解して除去することを可能にしています。
効果についてはまだ研究段階ですが、VOCを含め化学物質除去性能を長所とした製品も販売されています。
市販の家庭用空気清浄機を使用したVOC除去性能試験では、風量3㎥/分で30分運転したところ、ホルムアルデヒドが70%以上減少した製品もありました。 同製品では、オクタン・ベンゼンが約50%、トルエンが約30%、ヘキサン・クロロホルム・エタノールが約20%減少したとの結果も得られています。
このような試験結果からも、空気清浄機が有害物質を除去する効果が期待できることが分かります。
こまめに換気する
室内の空気環境を改善する効果的な方法の1つが、窓を開けた換気です。VOCは常温で揮発しやすい物質であり、温度の上昇にともない放出量が増えるものも多くあります。
気温が高くなる夏季はVOCの放出量が増え、室内のVOC濃度が高くなりやすいため、夏はこまめな換気が必要です。冷房や暖房をつけている時でも、最低1時間に1回は5分程度の窓開け換気を行うことが推奨されています。
室内や寝具の定期的な掃除

問題はそれだけではありません。近年、ハウスダストの中にフタル酸エステル類や難燃剤、殺虫剤、金属類などの有害物質が蓄積することが明らかになっています。
有害物質を除去するのに、室内の定期的な掃除も有効です。
また、寝具にもダニや糞、死骸が潜んでいる可能性があるため、週に1〜2回の天日干しが推奨されています。寝具を叩くとダニや糞、死骸が表面に出るので、掃除機をかけると効果的に除去できます。
有害物質を閉じ込める塗料を使う

日本ではまだあまり知られていませんが、有害物質を閉じ込める塗料というものがあります。
有害物質を閉じ込める塗料にもさまざまな種類がありますが、そのほとんどは塗料自体にVOCを含んでいません。そのため、塗料が原因でVOCに晒される心配がないわけです。
例えば、建材や接着剤に含まれているVOCを透過させない「封止効果」を持っている塗料があります。この封止タイプの塗料は、住宅の新築時のみならず、既存住宅のVOCを閉じ込めるのに効果的です。
エコス社のオーガニックエアピュアプライマーは、建材や接着剤から有害物質を中和させて室内に出さない「封止タイプ」の下塗り剤です。
また、VOCなどの有害物質の発生源は、壁や建材、接着剤だけに限られません。家具や調度品、暖房器具、殺虫剤、芳香剤、たばこの煙など身の回りのものからも発生することがあります。
これらの有害物質への対策には、有害物質を吸着し中和する塗料が有効です。
エコス社のオーガニックエアピュアペイントは、室内の有害物質を吸着&中和する上塗り塗料です。
室内リフォームをする際は、有害物質を閉じ込める塗料(エアピュアプライマー)と有害物質を吸着する塗料(エアピュアペイント)を合わせて使用すると、相乗効果が得られます。
有害物質を閉じ込める塗料・エコスオーガニックエアピュアペイントの効果

有害物質を除去する方法はいくつかありますが、有害物質を閉じ込める方法は多く確立されていません。建材などから有害物質を出さない、室内に浮遊する有害物質を吸着する、といった二重の効果があるのがエコス社の塗料です。
外部検査機関(米国環境保護庁)による試験では、全体の化合物を平均76%吸収する結果が出ました。高温下におけるVOCの低減率は、平均90%の吸収率が出ています。
同試験で吸収が確認された物質は以下になります。
・ホルムアルデヒド
・アセトン
・エチルアセテート
・pキシレン
・2プロパノル
・2ブタノン
・ベンジン
・プロピレングリコール
・mキシレン
・oキシレン
・ジエチレングリコール*
・ジプロピレングリコール*
*高温
私も、実際にエコスオーガニックエアピュアペイントで塗装してみましたが、本当にニオイもなく、換気をしなくとも快適に作業できました。
有害な化学物質に加え、有害な天然物質もゼロの塗料なので、安心して使用できるのも利点です。
エコスオーガニックエアピュアペイントは、フランスのルーブル美術館やロンドンの大英博物館などで採用されています。貴重な所蔵品や展示品を有害物質から守るために使用されているようです。
一般家庭では、リフォーム時の内壁塗装や建材の塗り替え、家具・ベビー用品・ペット用品の塗装に用いられています。
海外ペンキならではのおしゃれな色合いは、雑貨リメイクにも最適です。小物を塗装しただけでも部屋の空気が綺麗になるようで、嬉しいですね!
まとめ|日常のちょっとした工夫で室内の空気を綺麗にしましょう

室内の空気は屋外以上に汚染されているもの、という情報に、不安を持たれた方もいると思います。
VOCなどの有害物質は、アレルギーやシックハウス症候群の原因になるだけでなく、長期的な曝露で内臓に影響を及ぼす可能性もあるとされています。
健康のためにも、環境のためにも、日頃から有害物質を除去する取り組みをしていきたいものです。
幸い、一般家庭でも有害物質を除去する方法はあるので、日常のちょっとした工夫で室内の空気は綺麗にできます。リフォームの際は、有害物質を閉じ込める塗料も検討してみてくださいね!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!