「赤ちゃんが誤って塗料を舐めた!」
こんな時、赤ちゃんの親御さんはとても心配になり、慌ててしまうことでしょう。
部屋に置いておいたペンキを赤ちゃんが舐めてしまう、という事例は少なくないです。
赤ちゃんが塗料を舐めたからといって、即座に健康被害が生じるわけではありません。
塗料の種類や状態、舐めた量によってリスクが異なります。
油性塗料に比べると水性塗料の方が有害性は低いとされていますが、含まれる成分によっては注意が必要です。
この記事では、赤ちゃんが塗料を舐めた場合のリスクや対処法、安全な塗料について解説します。塗料以外の誤飲についても触れていくので、慌てずに適切な対処を行ってください。
目次
赤ちゃんが油性塗料を舐めた場合のリスクと対処法
赤ちゃんが塗料を舐めた時に健康被害があるかどうかは、塗料の種類や成分、状態、舐めた量に左右されます。もっとも注意すべきなのは、油性塗料を舐めた場合です。
油性塗料の人体への影響

赤ちゃんが油性塗料を舐めた場合は、健康被害が生じる可能性があるため注意が必要です。
心身への影響として、以下の症状が出る場合があります。
・泣き止まない、ぐずる
・皮膚の痒みや湿疹
・咳込みや鼻水、くしゃみ
・吐き気、嘔吐
・急性中毒、慢性中毒
上記のほとんどは急性中毒の症状で、シンナーを吸引することでも起こります。
慢性中毒や長期的なリスクも考慮しなければなりません。
シンナーには多くのVOC(揮発性有機化合物)が含まれており、人体に影響を及ぼす恐れがあります。中には、視覚機能や心血管機能、脳、神経系などに影響を与える可能性があるものもあります。
安全な対処法

「中毒の危険性があるものを誤飲した時、水や牛乳を飲ませると良い」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
しかし、シンナーは脂肪に溶けやすいため、牛乳を飲むと吸収が早まってしまう恐れがあります。赤ちゃんが油性塗料を舐めた時は、牛乳を飲ませないよう注意しましょう。
赤ちゃんが水性塗料を舐めた場合のリスクと対処法

しかし、水性塗料の場合でも、成分によっては注意しなければなりません。
水性塗料の人体への影響
多くの玩具メーカーでは、油性塗料の人体への影響を考慮し、水性塗料を採用しています。食品衛生法やST基準(玩具安全基準)、欧州規格(CE)に適合した塗料が使用された玩具も多いため、万が一赤ちゃんが玩具の塗料を舐めても、健康被害が生じるケースは少ないです。赤ちゃんが何でも口に入れてしまうことを想定し、設計されています。ただし、すべての水性塗料が必ずしも安全というわけではない点に注意しましょう。
水性塗料の中にも、VOCなどの有害物質や添加剤(防腐剤・抗菌剤)が含まれるものがあります。
赤ちゃんがいる家庭で水性塗料を選ぶ際や、塗料が塗られた玩具を与える場合は、含まれる成分を一つひとつ確認することが大切です。
安全な対処法

緊急性は塗料の成分や量、赤ちゃんの様子などで変わります。
1歳児・体重10㎏程度のケースでは、合成樹脂が含まれた塗料20cc以上、一般的なニス5cc以上は危険な量と考えられます。赤ちゃんが誤飲した量が明確でない時は、医療機関を受診することが推奨されています。
以下は様子をみてもよいとされる目安です。
・ほんの少量舐めた
・すぐに吐き出した
・元気がよく嘔吐などの症状がない
もし、咳込みや嘔吐、ぐったりしている、腹痛や下痢、口内の腫れなどが見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
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受診すべきか判断に迷う場合は、「中毒110番」に電話相談するとよいです。応急処置の方法や受診の必要性などの情報を提供してもらえます。 ◆一般専用電話(365日24時間対応) 大阪中毒110番 072-727-2499 つくば中毒110番 029-852-9999 |
乾いた塗料を舐めてもリスクはある?

乾燥前の塗料からはVOCなどが揮発しやすい状態にあるため、リスクは高めです。
一般的な塗料は、完全硬化していれば舐めても急性の毒性リスクは低いと考えられます。
VOCは乾燥や硬化の過程で大気中に蒸発し、塗膜に残るのは一部に限られるためです。
揮発しない化学物質についても大半が塗膜内に存在するため、舐めただけでは溶け出すことはないとされます。
ただし、塗装部分が高温に曝された時や、研磨で粉末状になった時などは、健康に影響を及ぼす可能性があります。
現時点では、乾燥した塗料について明確な科学的エビデンスはほとんどありません。完全硬化後であっても、赤ちゃんが塗装部分を舐めることのないよう注意しましょう。
赤ちゃんにとって安全な塗料とは?
赤ちゃんにとって安全な塗料は、有害物質が極力含まれない塗料です。油性塗料と水性塗料では、含まれている成分に違いがあり、赤ちゃんへの安全性も異なります。油性塗料を舐めた時にリスクが高いのは、VOCなどの化学物質が有機溶剤に含まれるから。水性塗料はVOCが少ないため比較的安全ですが、わずかに含まれる物質が人体に影響を与える可能性は完全には否定できません。
赤ちゃんがいる家庭で塗料を選ぶ時は、「水性塗料であるかどうか」だけでなく、VOCや化学物質が含まれないことも確認しましょう。
塗料・玩具の安全性については、製造メーカーの表示を事前に確認しておくと安心です。
食品衛生法やSTマーク、CEマークを基準に作られた塗料は安全性が高いといえます
VOCや化学物質を含まない塗料として、オーガニックペイントが挙げられます。
すべての成分が、食品グレードや医療グレードの体内に取り入れても問題のないものなので、赤ちゃんがいる家庭で使用するのに向いています。
塗料以外の誤飲のリスクや対処法を知っておきましょう

身の回りにある家庭用品には、誤飲のリスクや人体に影響を与える可能性があるものがあります。それぞれのリスクや対処法を知っておけば、いざという時に落ち着いて行動できますよ。
灯油、ガソリン、ベンジン、除光液
万が一、赤ちゃんが誤飲した可能性がある場合は、医療機関を受診した方がよいです。水や牛乳などを飲ませたり吐かせたりしないよう注意しましょう。これらを誤飲した場合、48時間以上の観察が必要とされています。台所用洗剤、洗濯洗剤、入浴剤
キッチンや浴室で日常的に使用する台所用洗剤、洗濯洗剤、入浴剤は、水や牛乳を飲ませる、吐かせるなどで対処できます。ただし、意識がない場合やけいれんを起こしている場合などは早急に医療機関を受診した方がよいです。トイレ用洗剤、漂白剤、殺虫剤
これらは誤飲した場合に緊急性が高いと考えられます。住宅用洗剤のうち、強酸やアルカリ性のものは中毒リスクが高いです。殺虫剤以外は水分を取らせてもよいですが、吐かせずにすぐ医療機関を受診します。油性絵の具、工芸用染料
油性絵の具や工芸用染料は、少量でも口に入れてしまったら、水を飲ませ、吐かせてから医療機関を受診します。油性絵具の中でも、シルバーホワイトやヴァーミリオン、カドミウム系、クロム系の絵具は人体に影響を及ぼすとされています。製品によっては、チューブに毒性や有害性の記載があるものもあるため、表示を確認してください。
インク、クレヨン、鉛筆、水彩絵の具
これらは塗料ではありませんので、基本的には人体への影響が少ないです。少量であれば赤ちゃんが舐めても問題ないとされていますが、大量に口に入れないよう注意しましょう。いずれの場合も、大量に飲み込んだ場合や、口に入れた量が分からない場合は、中毒110番などの専門機関に相談するか、医療機関を受診してください。
まとめ|赤ちゃんが塗料を舐めた時は適切に対処しましょう

塗料を舐めたり家庭用品を誤飲したりしないよう、中毒リスクのあるものは赤ちゃんの手が届かない場所にしっかり管理しましょう。
万が一、赤ちゃんが塗料を舐めた時は、塗料の種類や成分、状態、舐めた量を確認し、適切に対処してください。
赤ちゃんが舐めても大丈夫なように、家庭でのDIYには水性塗料やオーガニックペイントを選ぶのがおすすめです。塗料の管理には十分注意を払ってくださいね!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!
