塗装の寿命は塗料の種類によって異なりますが、一般的に10年程度とされています。
前回の内壁塗装から年数が経っており、「うちもそろそろ塗り替え時かな?」と思っている方もいらっしゃることでしょう。
壁紙やクロスの寿命もだいたい10年程度なので、10年ごとに内装リフォームを行うとよいです。
内装リフォームというと、壁紙やクロスを剥がして張り替えをする大がかりな工事を想像する方も多いはず。しかし、最近では壁紙やクロスの上から塗装してリフォームする方法も普及しつつあります。
このコラムでは、内装リフォームで壁をDIY塗装するメリット・デメリット、ポイントや注意点、壁塗装の事例などをご紹介していきます。
目次
リフォームで壁の塗装をDIYで行う人が増加中

2025年現在、第4次DIYブームの真っ只中にあり、国内外でDIYの普及が急速に進んでいます。
もともと、DIYは1945年のロンドンが発祥で、ヨーロッパやアメリカに広まりました。ヨーロッパやアメリカでは、日本よりもDIYを行う人が多く、リフォームで壁をDIY塗装するのが当たり前になっています。
Global Home Improvement Reportによると、アメリカの人口1人あたりのDIYへの出費は、年間10万円程度です。これらのデータから、数年前は「アメリカのDIY市場は日本の10倍」ともいわれていましたが、最近は日本のDIY市場も拡大傾向にあります。
DIYを行う女性が増えたこと、SNSなど発信手段が身近にあることが背景にあり、現在の国内DIY市場規模は約4兆円とされています。
日本の住宅では、内装に壁紙を用いるケースが多いため、一般家庭でも壁の塗装が可能ですよ!
内装リフォームで壁をDIY塗装するメリット

業者に依頼する費用を抑えられる
内装リフォームで壁をDIY塗装するメリットの1つが、業者に依頼する費用を抑えられることです。室内壁の張り替えや塗り替えを専門業者に依頼すると、材料費だけでなく、人件費や出張料が発生します。 自分で塗装を行えば、塗料や壁紙、塗装道具の費用だけで済むため、業者に依頼する費用を大幅に抑えられます。
好きな日程で作業できる
塗装業者に依頼した場合、作業日程を業者に合わせなければならない場合があります。例えば、土日が休みの業者なら作業は平日に限られるため、土日に作業してほしい場合は困りますよね。
一方、DIY塗装であれば、自分の好きな日程で作業できるため、休日にしっかりと時間をとって作業できます。打ち合わせや立会いなど、煩わしいやりとりが必要ないのもDIY塗装のメリットです。
塗料や色が自分で選べる
塗装業者によっては、塗料の指定ができず、決められた塗料から選んで依頼しなければならないことがあります。色やデザインにこだわりがある場合、「細かな希望が伝えにくい」「仕上がりがイメージと違う」といった不満も出やすいです。DIY塗装なら、塗料や色が自分で自由に選べるため、細部のこだわりやイメージを再現しやすいです。
塗装の知識や技術が身に付く
DIYで塗装する際には、インターネットや本などで塗装の手順や方法など、知識を得ようとしますよね。これにより、塗装の知識が習得できます。また、塗装が広範囲になるほど、作業のコツをつかみ、慣れるきっかけになります。
リフォームもDIYが流行る時代、外壁塗装や家具塗装もDIYで行う人が増えつつあります。塗装の技術は、きっと将来的に役立ってくれますよ!
達成感や愛着が生まれる
塗料選びからデザイン決め、実際の塗装までを全て自分で行うと、仕上がった時に達成感が得られます。自分で塗装した壁や建具は愛着がわきやすく、「長く住み続けたい」という気持ちが芽生えることでしょう。自作の物に対して特別な価値を見出す現象を「イケア効果」と呼びます。
DIY塗装で愛着が生まれることは、まさにイケア効果の象徴ですね!
また、業者に作業を依頼した場合だと難しい、「遊び心」をプラスすることも可能です。例えば、塗装をお子さんに手伝ってもらったり、その場で思いついたアイデアを即反映したりできます。
リフォームで壁をDIY塗装することの最大のメリットは、自由度が高いこと。これに尽きると思います。
内装リフォームで壁をDIY塗装するデメリット

失敗するとムラになってしまう
リフォーム会社や塗装業者は、壁塗装のプロなので、手際よく正確に作業を進めてくれます。もちろん、塗装初心者に比べて仕上がりは綺麗で、ムラが出ることはまずないでしょう。しかし、DIY塗装の場合、慣れない人が作業をすると、色ムラや塗りムラ、ひび割れなど失敗する可能性があります。塗装技術に長けた人でなければ、プロのような仕上がりは難しいかもしれません。耐久性や美観を求めるなら、塗料や下地処理に関する知識も必要です。
転倒事故のリスクがある
天井の高い部屋をリフォームする場合、高所を塗装する際に脚立や梯子などに上って作業することになります。足場が安定しない場合、転倒・転落事故のリスクが生じるため、万が一に備えて対策する必要があります。 例えば、衝撃を和らげるマットレスやクッションを敷いておくと安心です。
手間や時間がかかる
DIY塗装は業者に依頼するよりも手間や時間がかかる傾向にあります。特に、塗装に慣れない人だと、通常よりも多くの時間を費やす可能性があります。DIY塗装では、必要な道具の購入から下地処理、養生、塗装、乾燥、後片付けまでの全工程を自分で行わなければならないことを頭に入れておきましょう。
塗料の臭いが気になる
塗料の種類によっては、きつい臭いが気になり、体調不良を起こすことがあります。特に、VOCなどの有害物質が含まれる油性塗料では、アレルギー症状が出やすいため、化学物質過敏症やシックハウス症候群の方は注意が必要です。
塗料の臭いについては、対策法・対処法があるので過度な心配は不要です。
まず、塗装中は換気を行うことを徹底しましょう。
最善の対策法は、油性塗料ではなく水性塗料を選ぶことです。中でも、低VOCやゼロVOCなど、臭いや健康被害の原因物質を排除した水性塗料がおすすめ。

エコスオーガニックペイントは、発色のよさや耐久性を持ちながらも、ゼロVOC・ゼロ有害物質の水性塗料です。
臭いが気にならないため、あまり換気ができない環境でも安心して使えますし、有害物質による体調不良の心配もありません。
内装リフォームで壁をDIY塗装するポイントや注意点

内装リフォームで壁をDIY塗装するにあたって、知っておきたいポイントや注意点がいくつかあります。壁を塗装する前に、以下の3つの項目をチェックしておきましょう。
上から塗装可能な壁紙(クロス)か?
日本の住宅で一般的に用いられているビニールクロスは、上から水性塗料で塗装が可能です。通常タイプのペンキはもちろん、黒板塗料もそのまま塗装できます。ただし、特殊な防汚コーティング・撥水コーティングがされている場合、塗料を弾いてしまう可能性があるので注意が必要です。
また、紙製の壁紙は力を入れると破れやすいので塗装が難しく、布製の壁紙は水分を吸収するため塗料の量が多く必要となり、DIY塗装に向きません。
壁紙に霧吹きで水を吹き付け、水分が問題なく馴染むかどうかチェックします。
水分が流れてしまう場合は、塗装が難しいです。
2,セロハンテープを貼る
壁紙にセロハンテープを貼り、問題なく貼りつくかどうかチェックします。
しっかりと貼り付かない場合は、塗料の密着性も低いため、塗装が難しいです。
3,試し塗りをする
壁の目立たない箇所で塗料の試し塗りをしてみます。塗料が弾かれた場合は塗装が難しいです。
1〜3のチェックで問題がなければ、塗装OKと判断できます。
壁紙を剥がすのは基本的にNG
既存の壁紙やクロスにそのまま塗装できるのがDIY塗装の良いところ。むしろ、壁紙を剥がそうとすると、綺麗に剥がすのは至難の技です。裏紙が残ったり石膏ボードの紙まで剥がしてしまったり…失敗リスクも高いので、DIYで壁紙剥がしはあまりおすすめできません。
もし、傷の度合いが大きい、ひび割れがあるなどの場合は、補修や壁紙をした後、上から貼り直してから塗装するのがベターです。
ただし、紙製や布製などの壁紙に塗装したい場合は、壁紙を剥がさなければなりません。 DIYで壁紙の張替えは可能ですが、下地処理などをしっかり行ってから実施する必要があります。
塗装前に十分に掃除しましょう

後から後悔しないためにも、壁紙やクロスの汚れ(油分や埃を含む)はしっかりと落としておくことが大切です。
あまりに汚れが酷い場合は、下地処理としてプライマー塗装しておきましょう。
賃貸住宅を管理する方などで、徹底的に掃除したい場合はスチームクリーナーが役立ちます。
内装リフォームで壁塗装をした事例をご紹介!
築年数が古い団地から古民家カフェ、個展の会場…幅広い建物の内装リフォームでDIY塗装が行われています。ここでは、エコスオーガニックペイントを使用した壁塗装の事例をいくつかご紹介します。



壁を塗装するだけで高級感や清潔感が生まれ、空間に価値が付加されます。
壁のDIY塗装は初心者でも可能なので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください!
まとめ|内装リフォームで壁のDIY塗装はメリットが多くおすすめです

「うちもリフォームをしたい!でも、賃貸だから…」という方でも、壁のDIY塗装は可能です。もちろん、大家さんや管理会社の許可なしに勝手に塗り替えはできませんが、既存の壁に剥がせる壁紙を貼ればリフォームできます。
もし、壁全体のリフォームはハードルが高く感じるのであれば、まずは一部分のみリフォームしてみてはいかがでしょうか。
私も先日、100円ショップの壁保護シートにエコス社のチョークボードペイント(グリーン)を塗装して壁紙を作成してみました。
そのまま貼ってもおしゃれですが、チョークで文字や絵を描くと賑やかな印象になりますよ!本格的な黒板アートを描いても良いですし、お子さんの落書きスペースにもできます。
詳しくはこちらのインスタグラムにてご覧ください。 このコラムを参考に、内装リフォームで壁のDIY塗装を楽しんでくださいね!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!