部屋がペンキ臭い原因と対策!油性塗料が臭う場合の対処法は?

記事 オーガニックペイントサポーター 原野 光佳

監修 シックハウス診断士 加納亜由美

室内塗装の作業中や塗装後、「部屋がペンキ臭い」とお悩みではありませんか?

部屋がペンキ臭い主な原因は、VOCの入った塗料の使用です。特に油性塗料は有機溶剤で希釈するため、VOC(揮発性有機化合物)など有害物質からの臭気が発生します。
体調不良のリスクがあるほか、人体への健康被害が起こる可能性もあるので、ペンキによる臭気には適切に対処しましょう。
また、油性塗料ほどではありませんが、水性塗料の場合もペンキ特有の臭いが残ることがあります。
このコラムでは、部屋がペンキ臭い原因と対策について解説します。油性塗料が臭う場合の対処法もあわせて紹介します。 ていきます。

部屋がペンキ臭い原因は?いつまで臭う?

DIYなどで室内塗装をしていて、「ペンキの臭いが辛い」と感じる人は多いようです。
しかし、どの種類のペンキでも臭うわけではなく、主に油性塗料の使用時にきつい臭いが放出されます。原因や、臭いが続く期間を把握しておきましょう。

塗料のVOC(揮発性有機化合物)が主な原因

室内塗装で部屋がペンキ臭い主な原因は、VOC(揮発性有機化合物)の有機溶剤です。

有機溶剤は、塗料を溶かす役割を持ち、刷毛やローラーなど塗装用具の洗浄にも用いられます。塗料の密着性や塗膜の耐久性を高めるメリットがある反面、さまざまなデメリットがあります。その一つが悪臭の発生です。
VOCは油性塗料に入っていることが多く、 油性塗料の塗装で体調不良になったという事例も多く、急性中毒を起こすケースもあります。
有機溶剤の中でもシンナーは強い刺激臭を持つことで知られており、中枢神経の抑制による集中力低下や精神症状、呼吸器や肝臓、心臓など身体への影響を及ぼす可能性があるため、公的機関でも注意喚起がおこなわれています。
有機溶剤は労働者向けに規制がありますが、家庭用塗料に対する直接的な規制はありません。しかし、家庭用塗料に含まれるVOC(揮発性有機化合物)も人体に有害である点は同じです。

VOCや添加剤も臭いの原因になる

油性塗料には、VOC(揮発性有機化合物)が多量に含まれています。VOCは乾燥の過程で空気中に放出される物質で、塗装時や塗装後に臭気を放ちます。
VOCの代表例として、シンナーの成分であるトルエン、キシレン、酢酸エチルなどが挙げられます。

シンナーが使われていない水性塗料でも、VOCが含まれることがあるので注意が必要です。また、ペンキに含まれる添加剤も臭いの原因になります。そのため、油性塗料ほどではありませんが、水性塗料で臭いが気になるケースもあります。

ペンキの臭いは通常3日程度続く

一般的に、ペンキの臭いは3日程度続くといわれています。プライマーとペンキの種類によっても臭いの継続期間が異なり、水性塗料よりも油性塗料の方が長期間臭います。

内壁塗装の場合、プライマーでの下塗り(1回)と塗料での上塗り(1〜2回)を行うのが一般的です。 油性を選択した場合は、1回の塗装につき5〜6時間乾燥させなければならないことがあります。1〜2日で塗装が終わったとしても、完全に乾燥するまでは臭いが続くと考えましょう。

「部屋がペンキ臭い」を解決する方法

ペンキの臭いや有機溶剤による人体への影響を最小限に抑えるには、水性塗料を選ぶのが望ましいです。
しかし、耐久性や金属への密着性が求められる場面などでは、油性塗料を選ばざるを得ないことがあるでしょう。
あらかじめ対策しておけば、塗装中や乾燥中に生じる室内のペンキ臭さを軽減することができます。

窓を開けて換気をおこなう

室内塗装時の基本となる臭い対策が、窓を開けての換気です。

窓を開けていても、臭いを排出できなければ効果が期待できません。換気の際は、空気の流れを意識する必要があります。効率的に室内の空気を入れ替えるには、対角線上にある2ヶ所の窓を開けましょう。
窓が1ヶ所しかない部屋では、外に向けて扇風機を回す、などの方法が有効です。

窓開け換気の頻度は、「30分に1回以上、数分間」とされています。長時間部屋を閉め切ると、VOCなどの有害物質の濃度が高くなり、臭いが強くなる恐れがあるので、こまめな換気をおこないましょう。臭いが続く場合は、臭いが気にならなくなるまで換気を続けてください。

窓を少しだけ開ける「すき間換気」は効果が低いため、全開にすることが推奨されています。

空気清浄機を使用する

一般的な家庭用空気清浄機では、ペンキの臭いにはあまり効果が期待できません。
その理由は、一般的な空気清浄機は、埃や花粉、PM2.5などの粒子状物質が除去対象となっており、ガス状のVOCには対応していないからです。

油性塗料による強力な臭い成分を除去するには、ガス状物質に対応した空気清浄機が効果的です。代表例として、活性炭フィルターを使用した空気清浄機が挙げられます。

活性炭はVOCなどのガス状物質を吸着する作用を持つとの報告があるため、油性塗料のVOCを除去する効果が期待できます。
空気清浄機以外にも、防毒マスクや粒状の活性炭など、活性炭をペンキ臭対策で使用している方は多いです。

ベイクアウトをおこなう

換気や空気清浄機を利用してもまだ「部屋がペンキ臭い」という時は、ベイクアウトという方法を試してみてください。ベイクアウトとは、室温を上げて塗料からVOCなどの化学物質を揮発させ、換気によって外へ排出する方法です。

手順を以下に紹介します。

1、壁から家具などを離し、高温多湿に弱い機器などを室外に移動させる。
2、窓を閉めて部屋を密閉する。
3、暖房を入れて、室内の温度を35〜40℃を目安に温度を上げる。
4、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させ、数時間置く。
5、暖房を切り、窓を開け換気をおこなう。

1〜5を繰り返すと、効果的に臭いを排出できます。
乾燥する時期は、加湿器を用いて湿度を上げることが推奨されます。
ベイクアウト中は室内の有害物質濃度が高くなるため、必ず室外に出るようにしましょう。

期間が経ってもペンキ臭い時の対処法は?

VOCなどの有害物質は、短期間で一気に揮発するとは限りません。そのため、油性塗料を塗ってからかなりの期間が経ってもペンキの臭いが残ることがあります。

臭いに敏感な方が長時間過ごす場合や、ペンキの臭いが強い場合などは、生活に支障をきたすこともあるでしょう。
数週間〜数ヶ月など、長期間が過ぎても部屋がペンキ臭い時は、以下の方法で対処しましょう。

水性塗料に塗り替える

油性塗料の塗装後に長期間臭いが残る場合は、水性塗料での塗り替えをおすすめします。
水性塗料を上塗りすることで、油性塗料の臭い成分を封じ込めることが可能です。VOCなどの有害物質を封止するタイプのペンキ・プライマーを使用すると、より効果的な臭い対策になります。

油性塗料の上に水性塗料をそのまま塗ると密着性が低いため、下地処理が必要になります。
以下は、基本的な下地処理の手順です。

1、拭き掃除で塗装面の汚れや埃、油分などを除去します。
2、乾燥後、サンドペーパーで塗装面を荒らします。240番のサンドペーパーを使用するのが一般的です。
3、塗装面の材質に合ったプライマー、シーラーで下塗りします。
4、製品ごとの乾燥時間経過後、水性塗料で上塗りします。
5、塗料が乾燥したら、2度塗りをおこないます。

上記の手順は、壁や天井、柱、床、家具など、さまざまな塗装で共通します。

 

油性塗料を剥離した方がよいケースもある?

油性塗料の臭いが気になる時、通常は換気や水性塗料の上塗りで対処します。
しかし、それでも解決しない場合は、油性塗料を剥離した方がよいケースもあります。
たとえば、以下のようなケースです。

・塗装面の劣化が著しい
・古いペンキで、広範囲に剥がれが生じている
・ペンキのベタつきが気になる
・錆びなどで表面が凸凹している
・油性塗料の臭いが強い

古い塗膜を剥がすには、塗膜剥離剤が必要です。
塗膜剥離剤を壁などに塗った後、しばらく経つと塗膜が浮き上がってくるので、皮すきやスクレーパーなどで剥がします。ある程度塗膜が剥がれたら、サンドペーパーで研磨し、表面を滑らかにしていきます。

古い塗膜の剥離は、簡単そうに見えても、手間と時間がかかる作業です。専門業者でも難易度の高い作業といわれているので、DIYでは推奨されていません。

これは、壁紙や木材、金属、コンクリート、プラスチックなど、下地ごとに適合する剥離剤や処理方法が異なるためです。失敗すると、下地を傷めるなどのリスクが生じます。作業にともない、粉塵や有害物質の飛散も考えられるため、安全面にも十分な配慮が必要です。

もし、どうしても古い塗膜を剥がす必要がある場合、専門業者への依頼も検討しましょう。

まとめ|水性塗料なら「部屋がペンキ臭い」を未然に防げます

室内塗装でのペンキ臭は、主に油性塗料の有機溶剤が原因です。

特定の素材への塗装や高い耐久性が必要な場合などは油性塗料を使うケースもあると思います。しかし、多量に用いることで「部屋がペンキ臭い」状況を作りやすいため、壁や天井など広範囲の塗装には油性塗料は向かないと考えてよいです。

室内で広範囲の塗装をおこなう時は、臭いやVOCの発生が少ない水性塗料が向いています。低臭・低VOCや無臭・ゼロVOCのペンキであれば、「部屋がペンキ臭い」を未然に防ぐことが可能ですよ!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!

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