「ペンキを古い家の天井に塗って綺麗にしたい」「壁塗装をするついでに、天井も塗装したい」と考えていませんか?
天井のペンキ塗装は、塗装道具さえ揃えればDIYでも可能です。
建ててから年数が経過した住宅では、壁だけでなく天井も汚れや塗装の剥がれが目立ってきます。
天井をペンキ塗装でおしゃれにしたい、でも、ペンキが垂れない塗り方はあるの?と疑問を持つ方は少なくありません。天井からペンキが垂れると、床が汚れたり人の頭に落ちてきたりするので、対処が必要です。
このコラムでは、天井をペンキ塗装する際の垂れない塗り方やポイントを解説していきます。必要な塗装用具やペンキが天井から垂れるのを防ぐ方法も併せて紹介するので、これから天井のペンキ塗装をされる方はご一読ください。
目次
天井のペンキ塗装に必要な塗装用具は?

ペ 天井は手が届きにくい箇所なので、ペンキ塗装する前に万全の準備が必要です。 効率よく作業を進めるために用意すべき塗装用具を以下にまとめます。
脚立
天井のペンキ塗装を効率よく行うための足場は必須です。高所作業は落下や転倒の危険を伴うため、凹凸のないフラットな場所に設置し、ぐらつきがないことを確認してください。ローラー
ペンキ塗装用のローラーは、柄の長さによって長柄と短柄の2種類があります。長柄ローラーは足元が安定した状態で塗装できるのがメリットですが、上を向いた作業が長時間に及ぶと効率が定価します。脚立で天井に近づき、短柄ローラーで塗装するのがベターです。刷毛
通常の刷毛は、天井の細部を塗装するのに必要です。刷毛目が残りにくいスポンジ刷毛がおすすめです。マスキングテープ、布コロナマスカー
壁面などに塗料がつかないようにするものです。マスキングテープはテープのみ、マスカーは養生シートが付いたテープを指します。ローラーバケット
塗装ローラー用の塗料入れです。使用するローラーが入る大きさのバケットを選びましょう。養生シート
家具や床を保護するための養生シートは、ビニールシートや新聞紙でOKです。ペンキ
天井の材質に適応したペンキを選びます。臭いが少ない水性ペンキがおすすめです。その他下地調整用品
既存の天井の状況に合わせて、サンドペーパーやヘラ、プライマーなどを用意します。中性洗剤(重曹で代用できることも)やフロアワイパーなども準備しておくと良いです。ペンキで天井を塗装をする方法と垂れない塗り方

天井の塗装でもっとも気になるのが「ペンキが垂れないか?」という点ではないでしょうか。
天井の塗装をする以上、ペンキを全く垂らさずに作業するのは難しいですが、極力垂れないようにすることは可能です。塗りムラを残さないためにも、正しい方法で天井を塗装しましょう。
ここからは、ペンキで天井を塗装をする方法と垂れない塗り方を紹介していきます。
天井の清掃と下地調整
まずは、塗料の密着性を高めるために天井の清掃を行います。
天井が汚れた状態だと、塗料ののりが悪くなり、ペンキが垂れる原因にもなります。中性洗剤やフロアワイパーなどを用いて、天井面の埃や油分、カビなどを除去しましょう。水拭きの後に乾拭きをして、水分を残さないようにします。
すでに塗装されていて、古い塗料が剥がれかかったり粉状になったりしている場合は、サンドペーパーやヘラで塗装を落とします。もし、天井にひび割れや欠けた部分があるのであれば、補修材や穴埋めパテで補修しておきましょう。
壁紙を下地にする場合、壁面から浮いている箇所は糊や木工用ボンドでしっかりと貼り直してください。
天井面に凹凸があると、ペンキが垂れやすいだけでなく、塗りムラができやすく美観を損ねる原因になります。仕上がりを良くするためにも、下準備の段階で天井面をフラットにしておきましょう。
養生

天井の塗装で重要かつ難易度が高いといわれる作業が養生です。壁や床はもちろん、家具などにもペンキが付着する可能性があるため、念のため部屋全体を養生した方が良いでしょう。
床一面にブルーシートや新聞紙を敷き、シートとシートが重なるようにガムテープなどで留め、隙間ができないようにします。
可能であれば、家具や家電は別の部屋に移動させてください。
カーテンはレールごと取り外し、照明器具はスイッチ・ブレーカーを落としてから取り外し、別の部屋に移動させると安心です。天井付近にコンセントがある場合は、スイッチカバーを外してからマスキングテープを貼りましょう。
壁や柱など移動できないものは、マスキングテープを貼って保護します。
マスキングテープを貼るときは、テープを利き手で持って50㎝を目安に貼っていくのがポイント。斜めになったりテープが浮いていたりすると、テープの隙間からペンキが付着する可能性があるので、真っ直ぐに貼ること、テープを貼った後に手で押さえてしっかりと密着させることが大切です。
水回り設備や家具・家電、窓ガラスなど広範囲を保護する場合は、布コロナマスカーを貼ります。
プライマーの塗装
塗装下地が劣化している場合や汚れが落としきれない場合は、塗料の密着性を高めるためにプライマーの塗装が推奨されます。
プライマーには油性と水性がありますが、油性プライマーは耐久性が高い反面、シンナー臭いがきついため、屋内には向きません。室内の天井に塗装するのであれば水性プライマーがおすすめです。
プライマーでの下地塗装は、主に仕上がりを良くし、上塗り塗装の耐久性を上げるために行います。必ずしも下地塗装が必要とは限りませんが、パテで補修した場合などは吸い込み止めに行うことが推奨されます。
油性ペンキの上から水性ペンキを塗る場合や、つるつるした材質に塗装する場合は、サンドペーパー(240番)で目粗ししてから塗装するとペンキの付きが良くなります。
白やグレーなどカラータイプのプライマーであれば、上塗りなしの単独で使用が可能です
ペンキで天井を塗装

天井を塗る際は、先に端~四隅、窓周辺など細部を刷毛で塗っていくのが基本です。
刷毛の持ち方は、手首を動かしやすいよう、お箸・鉛筆を持つように握るのがポイント。寝かせるように塗るとムラになりやすいので、毛先を立てて塗るようにします。
次に、広い面をローラーで塗っていきます。この時、塗装時間を短縮しようとするあまり、大量にペンキを含ませるのはNGです。一度に厚塗りしようとすると、天井からペンキが垂れやすくなります。
バケットにローラーを浸し、網目の部分である程度ペンキを落としてから塗装しましょう。
天井からペンキが垂れないようにするコツは、全体を薄めに塗ること。2度塗りが前提になるので、多少の擦れや塗り残しは気にせずにテキパキ塗っていくことが大切です。
1回目の塗装後、触っても手に付着しない程度に乾燥させてください。(1回目の塗装を薄めにしていれば1〜2時間でOKです)。
2回目の塗装では、1回目の塗装時に塗り残した箇所などを重点的に全体を均一に塗っていきます。
天井をペンキ塗装する際の注意点

体への負担を考え、無理をしない
天井は高い位置にあるため、長時間にわたり上を向いて作業しなければなりません。壁面を塗装するよりも体への負担が大きく、手間や時間がかかる傾向にあります。体力的に自信がない場合、一人で作業するのは避け、二人以上で作業するのがベターです。
首や腰に負担がかかりやすいため、持病に不安のある方は作業を控え、そうでない方も適度に休憩を取って作業しましょう。
汚れても良い服装で作業する
作業時の服装については、ペンキが付着することを想定し、汚れても大丈夫な服を着用します。万が一天井からペンキが垂れた場合に備え、使い捨てキャップを被ったりタオルを巻いたりして頭を保護してください。
材質に適したペンキを選ぶ
塗料の選び方にも注意が必要です。天井を塗装するペンキは、材質に適したものを選ぶ必要があります。一般的な住宅の天井に用いられている、ビニール壁紙、クロスボード、石膏ボード、ケイカル版(ケイ酸カルシウム板)、べニア板であれば多くの塗料が適応します。
漆喰やコンクリート、モルタルなどの材質もペンキの種類によっては塗装可能です。
油性ペンキは臭いが長時間続く
ペンキは油性ペンキと水性ペンキに分かれますが、油性ペンキはシンナーで希釈するので強い臭いを発し、塗装後もしばらく臭いが残ることがあるため、塗装中は窓を開けての換気が必須となります。水性ペンキは水で希釈するので臭いが少ないです。低VOCやゼロVOCのペンキが多く、人体や環境にも優しいので、室内塗装をする際は水性ペンキをおすすめします。
ただし、水性ペンキは油性ペンキに比べて粘度が低く、天井を塗装する際に垂れやすいので、養生をしっかり行ってから塗装しましょう。
まとめ|ペンキで天井を塗装する際は事前準備をしっかりしましょう

特に、一般家庭や屋内では粘度が低めの水性ペンキが用いられることが多いので、垂れないコツを押さえて塗装していきましょう。
ペンキの天井塗装では多くの道具が必要になるため、塗装を始める前に不足はないか確認し、足りないものがあれば用意しなければなりません。事前準備をしっかり行えば、ペンキの天井塗装で失敗するリスクは大幅に減らせます。
このコラムを参考に、DIYでペンキ塗装にチャレンジしてみてくださいね!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!