家の内装リフォームで塗装を検討していて、窓枠の塗装をするかしないか迷っていませんか?
窓枠の塗装にはさまざまなメリットがあるため、場合によっては「必要」になります。
窓枠は、意外にも室内の印象を大きく左右する箇所です。配色には特に気を遣う必要があるでしょう。また、室内塗装になるので、臭いや成分を踏まえて塗料を選ばなくてはなりません。
このコラムでは、リフォームで窓枠の塗装を行うメリットや手順を紹介します。
リフォームで窓枠のDIY塗装を行う際に、いくつか押さえておきたいポイントがあるので、あわせて解説していきます。
目次
リフォームで窓枠を塗装する4つのメリット

「家の内装リフォームで窓枠の塗装は必要?」と疑問に思っている方は、窓枠を塗装するメリットを考えてみてください。
部屋全体の美観が向上する
窓枠は室内のほんの一部分ですが、塗装することで部屋全体の印象を大きく変えます。経年でペンキの色落ちや色褪せ、カビなどができていても、再塗装できれいになれば、美観が向上します。逆に、内装リフォームをする際、窓枠が汚れた状態、色落ちがある状態を放置しておくと、部屋全体の美観に悪影響を与えかねません。
窓枠は、たとえ面積が小さくても人の目線に入りやすい、という認識が必要です。
窓枠の耐久性が向上する
素材や既存の塗装状況に合わせて塗装することで、窓枠の耐久性が向上します。 以下は、窓枠の素材別で得られる塗装の効果です。|
窓枠の素材 |
得られる効果 |
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アルミ(金属) |
錆防止、酸化防止、紫外線・湿気による劣化の防止 |
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木 |
水分・湿気の侵入防止、腐食や反りの防止 |
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プラスチック |
紫外線や汚れからの保護 |
メンテナンス性(掃除のしやすさ)が向上する
窓枠の傷や塗装の剥がれによる凹凸は、汚れや埃が入り込みやすくなる原因です。メンテナンス性が低下し、掃除もしにくいです。塗装で塗膜が形成されると、表面が滑らかになり、汚れが付着しにくくなります。凹凸が少ない分、汚れや埃が取り除きやすく、掃除も楽になるでしょう。
断熱性などの性能をプラスできる
機能性塗料を選択した場合、耐久性やメンテナンス性のほかに特定の性能がプラスできます。・熱の移動を遮断する「遮熱・断熱機能」
・汚れが付きにくくする「防汚機能」
・菌の繁殖や臭いを抑える「抗菌・防臭機能」
・カビや虫の発生を抑える「防カビ・防虫機能」
・外部の音を軽減する「防音機能」
上記は一例です。必要な性能に合わせて塗料が選べることも、窓枠塗装のメリットです。
窓枠をDIY塗装する際に知っておきたい4つのポイント

窓枠の配色の使い方は主に2パターン
まず、窓枠の配色を決める時のポイントは、「希望する部屋のイメージに合うかどうか?」という点です。一般的には、明るい色の窓枠は部屋を広く、開放的に見せる効果があります。反対に暗い色の窓枠は、空間を落ち着いた印象にし、高級感や重厚感を与えてくれます。
窓枠の色の使い方は2通りです。
壁やインテリアと同系色にして統一感を出す
窓枠が目立ちにくい配色にするので、シンプルでまとまりのある印象になります。例)壁・インテリア:ホワイト 窓枠:アイボリー、ベージュ、ライトグレー
アクセントカラーとして窓枠だけ色の系統を変える
窓枠に目を惹く配色を行うので、メリハリがあり個性の強い印象になります。例)壁・インテリア:ホワイト 窓枠:ブラック、レッド、グリーン
近年、海外のおしゃれな部屋を参考にした配色も人気です。ヨーロッパでは、窓枠の色はホワイト・ブラック・ブラウン(木目)が定番ですが、ドアと同色の明るい色を選ぶ事例もあります。
窓枠の塗装前に下地処理が必要

下地処理を省くと、塗りムラができる・塗装後に塗膜が剥がれるといった原因になります。
アルミの場合、表面に白い粉・白い汚れ(白サビ)が出ることがあり、その上から塗装すると後にトラブルが生じやすいです。
アルミ用のクリーナーもしくは台所用中性洗剤を使用して、白サビを除去するようにしましょう。
窓枠の掃除後、足付け(サンディング)します。表面に細かい傷をつけることで、塗料の密着力が向上するので、必ず行いましょう。アルミの場合も木製の場合も、足付けでは#240くらいのサンドペーパーを選ぶのが一般的です。
窓枠に適した塗料の選定

内装リフォームで用いられている塗料は、アクリル系・ウレタン系・シリコン系…と、主成分となる樹脂の種類によって分類されます。
同じ種類の塗料でも耐久性は製品によって違いがあるため、メーカーが提供している公式の情報を参考にしましょう。耐久年数について、自社の試験結果や外部機関での検査結果は信頼性のある情報だと思います。
木製の窓枠塗装に向いているといわれるのは、柔軟性があり耐久性も高いウレタン系です。
アルミ窓枠に関しては、金属対応の塗料を選ぶ必要があります。
VOCに配慮された水性塗料が理想的

従来、油性塗料の方が密着性や耐久性は高くなるといわれてきましたが、最近の水性塗料は密着性・耐久性ともに高くなっています。
油性塗料は有機溶剤を使用するため、VOC(揮発性有機化合物)や有害物質を多く含みます。臭いが強い・中毒リスクがある・シックハウスなどの長期疾患につながるなどのデメリットに注意が必要です。
一方、有機溶剤を使用しない水性塗料は、低VOC・ゼロVOCで有害物質が抑えられています。そのため、油性塗料のようなデメリットをほとんど受けません。
赤ちゃんやペットのいる家庭でのリフォームでは、安全性を考えると、オーガニックペイントなどの有害物質が含まれない塗料が理想的です。
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◆オーガニックの水性塗料の耐久性は問題ない?<br><br> オーガニックペイントの耐久年数は、チョークボードペイント(黒板塗料)が10年以上、エアピュアペイント(空気清浄塗料)が8〜15年です。窓枠などの室内リフォームでは十分な耐久性を発揮します。 |
DIYリフォームで窓枠を塗装する手順

窓枠の塗装を正しい手順で行うかどうかは、美観や耐久性に大きく影響します。
DIYリフォームで窓枠を塗装する手順をみていきましょう。
塗装の下準備・下地処理
塗装前の下準備・下地処理は、仕上がりを左右する重要な工程です。作業前に窓の周辺を養生し、清掃時の汚れや塗料が付着するのを防ぎます。壁やガラスは、マスキングテープで保護します。
窓枠の構造にもよりますが、スライド式や開き窓などの可動部があるサッシは、塗料が溝や戸車に入り込むと動作に支障をきたす恐れがあるので注意しましょう。固定部のみ塗装するようにして、可動部は養生しておくと安心です。
下準備の内容としては、窓枠の汚れやサビ、カビなどの清掃がメインです。ほこりや手垢、脂分を落とす「脱脂処理」の目的もあります。乾拭きをして完全に乾燥させてから次の工程に移りましょう。
清掃後、サンドペーパーで足付けを行います。
プライマーでの下塗り
下塗りは下地と塗料の接着剤の役割を持ちます。下塗り剤にはプライマーとシーラーの2種類があり、木材の場合は塗料の吸い込み止めが必要なので、シーラーが用いられることが多いです。(吸い込み止めの機能があればプライマーでも可)。
アルミや金属の場合は、密着性を高めるためプライマー(金属対応)もしくは非鉄バインダーを使用します。非鉄バインダーは、非鉄金属用の下塗り剤です。
下塗り後、2〜6時間程度置いて乾燥させます。(乾燥時間は下塗り剤の種類によって異なります。)
ペンキなどの上塗り
塗料を塗る時は、少量を薄く伸ばし、塗料が一ヶ所に固まらないようにするのがポイントです。窓枠の角など細かい部分は刷毛、平面部分はローラーで塗るなど塗装道具を使い分けると作業効率が上がります。刷毛を使う場合もローラーを使う場合も、塗装する方向を決めておくとムラになりにくいです。
一度に厚塗りするのではなく、薄く2度塗りするのが基本です。2回目の塗装までの乾燥時間は、製品ごとの指示に従ってください。
養生を外して乾燥
マスキングテープなどの養生は、塗料が乾ききる前に取り除きます。塗料が剥がれないよう、ゆっくりと剥がすようにしましょう。まとめ|内装リフォームするなら窓枠も塗装するのがおすすめです!

もし私が窓枠を塗装するなら、ドアや家具などと同じ色にするなど、色をリンクさせてインテリアコーディネートをしてみたいです。 特に、海外のペンキは綺麗で鮮やかなカラーバリエーションが揃っているので、色選びから楽しめると思いますよ!
内装リフォームの際は、VOCや有害物質も考慮し、使用するペンキをオーガニックペイントで統一するのがおすすめです。

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!
