コンクリートの塗装をDIYでおしゃれに仕上げるポイント・事例を紹介!

記事 オーガニックペイントサポーター 原野 光佳

監修 シックハウス診断士 加納亜由美

室コンクリート壁は、無機質で洗練された印象を与える反面、表情が少なく、室内空間に変化が生まれにくい素材でもあります。
長く住み続けている人は、「古いコンクリートの壁をDIYで塗装したい」「ペンキを塗っておしゃれな部屋に変えたい」と思う瞬間があるかもしれません。

コンクリート内装の雰囲気を変える方法として、塗装をDIYでおこなう人が増えています。DIYでは、居室はもちろん、玄関や駐車場の壁、床などを塗装することも可能です。

今回は、コンクリートの塗装をDIYでやるメリット・デメリットから始まり、おしゃれに仕上げるポイントや事例まで紹介していきます。

コンクリートの塗装をDIYでするメリット

コンクリートの塗装をDIYでするメリットは、大きく分けて費用・美観(デザイン性)・補修のしやすさの3つがあります。
コンクリートの塗装で室内のイメージを変えたい人や、前回の塗装から年数が経過していて老朽化が気になってきた人は、DIYで塗装するメリットを確認してみてください。

費用が抑えられる

コンクリートの塗装をDIYでする最大のメリットは、費用が抑えられる点です。
塗装を専門業者に依頼した場合、塗料代に施工費や人件費などがプラスされるため、1室10万円以上の費用がかかることがあります。

一方、DIYであれば、必要なのは塗料代と塗装道具代くらいなので、施工費や人件費はかかりません。塗料の種類にもよりますが、1室数万円程度に抑えることが可能です。

費用が抑えられる分、塗料や塗装道具に予算を回せるのもメリットではないでしょうか。
仕上がりの良さや耐久性、人体への影響などを考えた時、質の高い塗料を選ぶことはとても重要です。

美観(デザイン性)が向上する

コンクリートは耐久性が高い素材なので、室内壁として使用する場合、寿命は60〜100年程度ともいわれています。しかし、耐久性とは関係なく、経年による色褪せや汚れ、変色、カビの発生、ひび割れなどはどうしても生じてしまうものです。

コンクリートをペンキなどで塗装すると、劣化した箇所がカバーできるため、美観が向上します。現代のペンキは、カラーバリエーションも豊富で選択肢が多いです。塗装方法によってはデザイン性を大きく向上することが可能です。

DIY塗装では、作業する人が自由に配色やデザインを決められるため、オリジナリティや愛着が生まれます。

後から修正しやすい

DIYなら、塗装の剥がれや塗りムラを気軽に修正できます。万が一失敗したとしても、ペンキが乾いた後に重ね塗りで直すことは可能です。

業者に頼んだ場合に施工ミスがあると、再度業者を手配しなければなりません。スケジュール調整などの手間が生じるのも難点です。
「デザインが気に入らない」など仕上がりと無関係な理由だと、やり直しに追加費用がかかる場合もあります。

後から修正しやすいというのは、DIY初心者の方にとっても大きなメリットです。

コンクリートの塗装をDIYでするデメリット

コンクリートの塗装をDIYですることには、デメリットもあります。塗装では下地処理や養生が重要となり、これらの作業が不十分になりやすいため、特に一人で作業する場合はデメリットが生じやすいです。

時間と労力がかかる

塗装作業は、塗料をそのまま壁や天井に塗って終わり、ではなく、下準備や下地処理、後片付けなどさまざまな作業を伴います。

特に時間と労力を必要とするのは、下準備と下地処理です。
塗装箇所や範囲にもよりますが、大きな家具・家電を移動する、広範囲の養生を行う、高所作業を行うなどの場合には、より多くの時間と労力を要します。

広範囲を一人で塗装するのは難易度が高く、慣れていない方だと体力的に負担を感じる可能性があります。

仕上がりに差が出やすい

DIY塗装は、作業する人の知識や技術、経験が影響し、仕上がりに差が出やすいです。特に、下地処理は塗装後の美観や耐久性に大きく関係するため、正しい方法・手順で行う必要があります。

DIY初心者の方では、下地処理が不十分になりやすく、「塗装後にムラが目立つ」「乾燥後に塗膜が剥がれてしまう」といった不具合が生じやすいです。
結果、すぐに塗り直しが必要になることがあります。

塗料の臭いが気になりやすい

コンクリート塗装に油性塗料を用いる場合、塗料の臭いが気になりやすいのがデメリットです。
油性塗料には有機溶剤が含まれており、独特のシンナー臭などが生じます。頭痛や吐き気などの体調不良を起こすことがあるだけでなく、シックハウス症候群の原因にもなりかねません。

水性塗料では有機溶剤を使用しないため油性塗料ほど強い臭いはありません。しかし、塗料の成分にもよりますが、臭いに敏感な人だと水性塗料でも独特の塗料臭が気になる場合があります。

塗料の臭いは、塗装中だけでなく乾燥時も続く場合があります。

コンクリートをDIY塗装する時の注意点

コンクリートをDIY塗装する時、いくつかの点に注意して作業をおこなえば失敗リスクを減らせます。
デメリットを最小限にするための対策もあわせて紹介するので、作業前に確認してください。

下塗りしないと吸い込みが起きる

コンクリートは多孔体の素材なので、水分を吸収します。塗料にも水分が含まれるため、コンクリートに塗装すると「吸い込み」が起きやすいです。
特に、水で希釈する水性塗料は、油性塗料よりも粘度が低く、吸い込みが大きいとされます。そのままコンクリートに塗布すると、下地に塗料がどんどん吸い込まれていき、想定より多くの塗料が必要になります。

これを防ぐため、プライマーで下塗りするのが一般的です。下塗りすることで、色ムラや塗料が剥がれるリスクが軽減します。

2度塗りや3度塗りを前提にする

コンクリート塗装を短時間で終わらせたいからといって、一度に大量の塗料を塗らないよう注意しましょう。塗りすぎはムラの原因になり、乾燥後に塗膜の厚み不均一になりやすいです。
2度塗りや3度塗りを前提とし、少しずつ均等に塗ることで失敗リスクを減らせます。

最初の塗装でムラができても、2度塗り時にカバーできるので問題ありません。むしろ、塗料が乾かないうちに修正すると、色ムラができやすいです。
2度塗りや3度塗りをおこなう時は、メーカー推奨の乾燥時間を守り、半硬化乾燥してから重ね塗りしましょう。

用途に合った塗料を選ぶ

塗料を選ぶ際は、用途に合っているかどうか確認してください。チェックポイントは、以下の3つです。

・コンクリート塗装に対応しているか
・耐久性や耐摩耗性、耐油性などはあるか
・臭いや有害物質はないか

木部用塗料や金属用塗料など、そもそもコンクリート塗装に対応していない塗料は避けた方がよいです。吸い込みやすい・密着性が低い・剝がれやすいなどのデメリットが生じます。

ガレージ床など、自動車やバイクなどの出入りが想定される場所では、耐久性や耐摩耗性、耐油性が求められます。ガレージ床などでは、エポキシ樹脂を原料とするエポキシ塗料がよく用いられます。
室内塗装で最重要といえるのが、塗料の臭いと有害物質です。
油性塗料は臭いが強く、室内での作業に向いていません。VOCなどの有害物質も多く含むため、広範囲での使用は推奨されていません。

コンクリートだからといって、必ずしも油性塗料を使用しなければならないわけではなく、用途に合えば水性塗料も問題なく使用できます。
水性塗料の多くは、「低臭・低VOC」または「ゼロVOC」となっており、室内塗装に向いています。

コンクリートをDIY塗装する手順と方法

コンクリートの壁や天井、床などをDIY塗装する際の手順と方法を解説していきます。
どの場所を塗装するのかによって異なりますが、屋内で塗装する場合は窓開け換気も行ってください。

必要道具を揃える

作業に入る前に、以下の必要道具を揃えてください。

・塗料
・プライマー(もしくはシーラー)
・塗装用ローラー
・養生シート
・刷毛
・ローラーバケット(もしくは塗料皿)
・攪拌棒
・手袋
・ブラシ、布など掃除用具
・サンドペーパー

※以下は、必要に応じて
・補修材
・マスキングテープ
・継ぎ柄(高所の場合)

サンドペーパーの番手は、室内の壁やガレージの床の塗装など一般的なDIYでは#108〜240程度がよく用いられます。

下準備と下塗り

まずは、コンクリートを清掃します。
下地が汚れていると塗料の密着性が低下し、性能にも悪影響を及ぼすため、表面の埃、油分、汚れをしっかり取り除きましょう。コンクリートは頑丈な素材なので、ナイロンブラシやデッキブラシなどで擦り洗いしても傷つきにくいです。ただし、ワイヤーブラシなどで強く擦るのは避けてください。
水洗いする場合は、塗装の前日までに行っておき、乾燥させることが重要です。

もし、コンクリートにひび割れがある場合は、コンクリート用パテやモルタルで補修しておきます。

塗装しない部分をマスキングテープで覆い、プライマーで下塗りします。
この時、補修した箇所の凹凸を埋めておくと滑らかな仕上がりになります。

上塗り塗装

プライマーを十分に乾燥させたら、塗料を塗っていきます。
最初に、刷毛で細かい部分(壁の隅など)から塗装していくのが基本です。次に、広い部分をローラーで均一に塗っていきます。

メーカー推奨の乾燥時間をとり、必要に応じて2度塗り、3度塗りをおこないましょう。
次の塗装をおこなう前には、塗装面を触り、塗料が指につかないことを確認してください。

塗装完了後、塗膜が剥がれないように注意しながら、半乾きの状態でマスキングテープを剥がします。

コンクリート塗装のおしゃれなデザイン事例

「コンクリート塗装をDIYでやりたい。でも、ただペンキを塗るだけじゃつまらない」という方は、ちょっとしたアレンジを加えてみてはいかがでしょうか。
ここでは、DIYでできるコンクリート塗装のおしゃれなデザイン事例をご紹介します。

インパクトや奥行きが生まれる《アクセントウォール》

アクセントウォールとは、壁の一部を他の壁と異なる色にしたり、異素材を使用したりするデザイン手法です。
特に広い空間では、すべての壁を同じ色で揃えると単調な印象になりがちですが、アクセントウォールを入れることでインパクトやメリハリ、奥行きが生まれます。

塗るペンキの色を変えるだけでもアクセントウォールが作れるので、DIY初心者の方でも取り組みやすいです。壁紙やウッドパネルを貼ることで、一部の壁を異素材にすることもできます。

オリジナリティと温かみがある《黒板アート》

コンクリートの壁にチョークボードペイント(黒板塗料)を塗れば、塗った部分が黒板として使えます。つまり、チョークで文字や絵を描くことができるわけです。

コンクリートの壁が黒板になれば、黒板アートも可能になります。本格的なイラストを描くこともできますし、お子さんの落書きスペースとして、またカフェのメニューとしても使えます。

イラストが得意な方は、塗装したコンクリートにペンキでそのまま絵を描いてしまってもよいでしょう。しかし、後から描き替えたくなった時に塗り直しが面倒…。その点は、チョークの方が簡単に消せる利点があります。

塗装アイテムを活用した《装飾》

コンクリート塗装で模様や図形を表現したい時、ペンキ以外の塗装アイテムを使って装飾を施す方法があります。
例えば、マスキングテープで図形を作って内側をペンキで塗れば、簡単におしゃれなデザインに仕上がります。その他、コンクリート床用塗料専用の「デコレイティブチップス」というものがあります。
こちらは、アメリカ発の塗料ブランドが発売した、コンクリート塗装をDIYでおこなう人向けの装飾チップです。

ペンキで塗装した後に撒くだけで、大理石調のおしゃれな装飾ができます。
美観が整えられる上、色ムラや凹凸を目立たなくさせることができるメリットもあり、DIYのデメリットを補う役割も果たしてくれます。

まとめ|コンクリートの塗装をDIYでおしゃれに仕上げましょう!

コンクリートの塗装は、難しいように見えますが、正しい手順と方法でおこなえばDIY初心者でも可能です。
事例のように、ちょっとした工夫を凝らせば見違えるほどおしゃれな仕上がりになります。アイデアが思い浮かんだら、まずは形にしてみることが大切です。

そして、下準備と下塗りの工程は塗装の仕上がりを大きく左右します。塗装の工程につい気をとられがちですが、2つの工程をしっかりおこなうことを忘れないようにしましょう。

塗料の臭いやVOCを気にせず安心して塗装を楽しむためには、塗料選びにもこだわってくださいね!

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!

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