おもちゃや家具など、赤ちゃんの身近なものに使われている塗料について不安を持っていませんか?
赤ちゃんにとって安全な塗料が分かれば、ママやパパは安心しておもちゃで遊ばせてあげられるはず。最近では、塗料の安全性にこだわり、赤ちゃんのおもちゃを手作りする方も増えています。
赤ちゃんにとって安全性が高いのは水性塗料ですが、含まれる成分によっては必ずしも「安全」と言い切れません。また、赤ちゃんに喜んでもらうには、おもちゃの色にも工夫が必要です。
このコラムでは、赤ちゃんに安全な塗料とはどんな塗料か、おもちゃ用塗料でおすすめのカラーをあわせて紹介します。
目次
赤ちゃんに安全な塗料を選ぶ2つの判断基準

おもちゃを買い与える時はもちろん、壁を塗装する時、家具をDIY塗装する時など、塗料の安全性を確保したいものですね。
赤ちゃんに安全な塗料を選ぶ判断基準を2つご紹介します。
油性塗料ではなく水性塗料
赤ちゃんに安全な塗料の一つが、水性塗料です。一般的な塗料には、塗膜を作るための樹脂や色を付けるための顔料、塗料の性能を高める添加剤が含まれています。そして、それらを溶かして塗りやすくする成分が「溶剤」です。
油性塗料では、トルエンやキシレン、エチルベンゼンなどの溶剤を使います。それに対し、水性塗料では水を溶剤として使います。
油性塗料で用いられる溶剤の中には、蒸発して大気中に出ていくVOC(揮発性有機化合物)が含まれています。VOCは、大気汚染や光化学スモッグの原因になる上、空気と一緒に人が吸い込むと健康に悪影響を及ぼす恐れがあるものです。
シックハウス症候群の原因にもなるため、環境省など国の機関も、油性塗料ではなく水性塗料を選ぶことを推奨しています。
口に入れた時の安全性が高い

大人は物を見ると感触や形を認識することができますが、赤ちゃんはそういった能力が発達段階にあるため、口に入れることで理解しようとするのです。
赤ちゃんはおもちゃを口に入れるもの、と考え、塗料を選ぶ時は口に入れた時の安全性の高さを考慮しましょう。
赤ちゃんが舐めても大丈夫な塗料の特徴は主に3つです。
有害物質を含まない
重要なポイントはVOCなどの有害物質を含まないことです。油性塗料に含まれる溶剤の成分のほかにも、赤ちゃんにとって有毒な物質は数多くあります。注意したいのが、水性塗料だからといって必ずしも無害というわけではないこと。
水性塗料の中にもVOCを含有するものはあるため、水性塗料を選ぶ場合でも「低VOC」「ゼロVOC」と書かれた製品を選ぶのがおすすめです。
さらに、低VOCの水性塗料であっても、一部の水性塗料には防腐剤や防カビ剤、可塑剤(フタル酸エステル類)が含まれている場合があります。
これらの成分は、赤ちゃんにとって有害になり得るため、含有する塗料は赤ちゃんが舐めても大丈夫な塗料とは言えません。
例えば、防腐剤・接着剤として使用されるホルムアルデヒドは、皮膚刺激や呼吸器刺激のある有害物質として、国内外で厳しい規制があります。
日本では、建築基準法でホルムアルデヒドの放出量が規制されています。塗料中のホルムアルデヒドが基準値以下と認められたものは、「F☆☆☆☆(フォースター)」の表示が可能です。
ただし、微量のホルムアルデヒドは放出される可能性があるので、赤ちゃんの健康を守るには「ホルムアルデヒドゼロ」の塗料を使うのがベストでしょう!
食品衛生法をクリアしている
食品衛生法では、赤ちゃんが口に入れる恐れがあるおもちゃを「指定玩具」として、材料に使用される有害物質を制限しています。対象となるおもちゃの種類としては、ゴム製おしゃぶりや積み木、動物がん具、がらがら、人形、ブロックのおもちゃなどが挙げられます。
これらのおもちゃの使用材料として規制されているのは、重金属・ヒ素・ホルムアルデヒド・カドニウムなどの有害物質です。溶出試験を経て、基準値を超えていないもののみが販売を認められます。
おもちゃはもちろん、塗料にも食品衛生法をクリアした製品があります。
エコマークやSTマークがついている(家具やおもちゃが対象)

エコマークはホルムアルデヒドのフォースターに相当するもので、家具などで表示されます。
STマークは、日本玩具協会が定めた安全基準を守ったものに付けられるものです。
例えば、おもちゃの塗料から基準値以上の重金属が溶け出していないか?などが検査されています。EU(欧州連合)では、鉛の基準としてCEマークが使われています。
赤ちゃんの色の見え方の発達

ちょうどこれくらいの時期から、赤ちゃんがなんとなく物の形をとらえられるようになり、認識できる色も増えるといわれています。
赤ちゃんは、最初からすべての色が認識できるわけではなく、段階的に見え方が発達していきます。
赤ちゃんの色の見え方の発達を3段階に分けてみましょう。
生後0ヶ月~1ヶ月ごろ
生まれてすぐの赤ちゃんは、目があまり見えていないといわれます。赤ちゃんが初めて認識する色は、白や黒、グレーなどの無彩色です。
焦点がしっかり合っていないため、色の濃淡がなんとなく分かる程度で、人の顔も目や口などの配置で認識しています。
生後2ヶ月~3ヶ月ごろ
生後2ヶ月ごろになると、ようやく赤が認識できるようになります。それに伴い、一点を見つめる「固視」や動くものを目で追う「追視」といった目の動きも発達していきます。生後3ヶ月ごろになると、黄色や緑色が認識できるようです。
生後4ヶ月ごろ~6ヶ月ごろ
このころから、青や紫、オレンジなどが認識できるようになります。発達心理学者のダフニ・マウラは、「色の認識がはっきりできるようになるのは生後4ヶ月ごろから」と研究の結果で提言しています。
生後6ヶ月ごろになると、視力が0.1程度になり、大人と同じように色の区別が可能になります。物の立体感や奥行きが把握できるようになるのもこの時期です。
これ以降、人の顔の表情が分かるようになり、おもちゃを手指でつまめるようになります。
赤ちゃんに与える色の影響は大きい
色が与える影響はとても大きく、赤ちゃんの一時的な感情だけでなく、脳の発達にも関係する可能性があります。目は、眼球の奥にある「網膜」に映った映像が大脳に伝達されることで見える仕組みになっています。ですから、色は脳で認識されるものなんです。
人の脳は3歳までに80%完成するといわれており、乳児期にどんな色に触れたかが後の感性や性格に影響することがあります。
ママやパパは、赤ちゃんに与える色の影響が大きいことを考慮し、塗料の色や身の回りのカラーを選んでみてください!
赤ちゃんに喜ばれる塗料のカラー・色が与える効果は?

赤ちゃんが喜ぶ色は「黄色」
一般的に、赤ちゃんが好む色は「白」「赤」「黄」「オレンジ」です。赤ちゃんが明るい暖色系を好むのは、彩度や明度の高い色が認識しやすく、ほどよく刺激を受けるからだといわれています。
調査内容によっては、赤ちゃんがもっとも喜ぶ色は「黄色」という結果もあるので、赤ちゃんの部屋の壁の塗料やインテリア、おもちゃの色で迷った時は、黄色を選んでみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんが嫌いな色は寒色系
個人差があると思いますが、一般的に赤ちゃんが嫌いな色は「青」「紫」などの寒色系や、緑、黒などといわれています。中でも、色の中でもっとも暗い黒色が苦手な赤ちゃんが多いようです。その理由は、寒色系は光の波長が短く、脳への刺激が少ないから。脳が発達段階にある赤ちゃんの身の回りには、赤ちゃんが好きな明るい色を置いておきたいですね!
赤ちゃんが3〜4歳にまで成長すると、色の好みが多様化してくるので、青や紫を好む子も増えてきます。
赤ちゃんに与える色の心理効果

近年では、色が与える心理効果・身体への影響について、多くの研究で立証されています。赤ちゃんの身の回りに使う色は、赤ちゃんの心と体の健康・発達に大きな影響を与えることでしょう。
赤ちゃんに与える色の心理効果(意味)を以下にまとめるので、塗料のカラー選びなどで参考にしてくださいね!

例えば、赤を多用した部屋は、赤ちゃんを刺激しすぎて落ち着きがなくなる可能性があります。
室内の壁などに明るい色を選ぶ時は、淡い色や彩度の低い色を選ぶのがおすすめです。
壁に塗る塗料の色を黄色にしたい時、クリームがかった黄色にすると、穏やかな雰囲気になります。
おもちゃは常に目に触れるわけではないので、カラフルな色使いでもOK。インテリアとして、いろいろな色を置いておくと赤ちゃんへの良い刺激になるでしょう。
まとめ|赤ちゃんに安全な塗料やカラフルなおもちゃを活用しましょう
今回は、赤ちゃんに安全な塗料の特徴から、赤ちゃんに喜ばれる塗料の色、色の持つ心理効果まで解説しました。赤ちゃんにとって安全性の高い塗料は、VOC等の有害物質が少ない水性塗料です。赤ちゃんが口に入れた時のことを考えると、完全無害なオーガニックペイントがおすすめ。
塗料やおもちゃの色は、色の心理効果を踏まえ、バランス良く配色することが大切です。

WEBライター 原野 光佳(はらの るか)
WEBライターとして、さまざまなジャンルの記事を執筆しています。インテリアデザインやおしゃれな家具・雑貨、色の持つ効果などに関して勉強中です。化粧品や食品などもオーガニックを好んでおり、ユーザー目線でオーガニックペイントの魅力を伝えていきます!
