壁や家具を塗り直したいけれど、「塗料に有害な成分が入っていたらどうしよう…」と不安になっていませんか。特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、塗料選びはとても重要なテーマですよね。そこで注目されているのが自然素材の塗料やオーガニックペイントです。天然の成分を主体に作られており、安全性とやさしい仕上がりを両立できます。この記事では、自然素材の塗料の特徴や種類、安全性、使い方や選び方のコツまで、丁寧に解説します。また、似たようで違いのあるオーガニックペイントについても説明しています。読んでいただければ、安心して住まいを彩る塗料を選べる未来が見えてきますよ。Happy Painintg!
自然素材の塗料とは何か
基本的な特徴とメリット

自然素材の塗料とは、植物油や鉱物顔料など、天然の素材を主成分にして作られた塗料のことです。
亜麻仁油や蜜蝋が代表的で、木に浸透してやさしい質感を残してくれます。この塗料のメリットは、体や環境への負担が少ない点です。揮発性有機化合物(VOC)が少なく、塗装中のにおいも控えめ。子どもやペットがいるご家庭でも安心して使えるのが魅力です。さらに、木目を生かした自然な仕上がりが得られるので、空間に温かみを与えます。加えて、経年変化による色や質感の深まりも楽しめるのがポイントです。
化学塗料との違い
化学塗料は合成樹脂、石油系樹脂や溶剤を多く含み、強い塗膜を形成して耐久性を高めます。 一方で、自然素材の塗料は原料に石油や合成顔料を含まない素材です。天然由来のものが多く、木材に浸透し、呼吸や調湿作用を妨げません。自然塗料は耐候性や施工時間では化学塗料に劣る場合もあります。厚い塗膜を作らないため、屋外利用ではこまめなメンテナンスが必要です。
選び方としては、用途に応じて「耐久性を重視するか」「自然な仕上がりを大切にするか」で使い分けるのが良いでしょう。
自然素材が選ばれる理由
自然素材の塗料が選ばれる一番の理由は「安心」です。化学物質はVOC(揮発性有機化合物)が多く含まれている場合があります。VOCを含む塗料は匂いがキツかったり、体調が悪くなる場合があるため、誰でも安心して使える塗料とは言い切れません。その点自然塗料にはVOCが少ないため、敏感な方や小さな子どもでも安心して使えるという信頼感があります。
また、木の自然な質感をそのまま楽しめる点も人気です。塗れば塗るほど風合いが増し、住まいに愛着が生まれていきます。
そして環境への配慮も選ばれる理由の一つです。天然素材を主体にしているので、地球にもやさしい暮らしの一歩になります。
自然素材の塗料の種類と成分

植物由来の塗料
代表的なのは亜麻仁油や桐油、漆です。漆が代表的で、防水性と耐久性に優れます。日本の伝統工芸品にも利用され、深い光沢が特徴です。ただし、かぶれを起こす人もいるため取り扱いには注意が必要です。油は木材に浸透して内部から保護し、自然なツヤを与える特徴があります。乾性油は酸素と反応して硬化し、塗膜を形成するため、家具や床の仕上げに多く使われます。鉱物由来の塗料
酸化鉄やベンガラなど、鉱物を原料とした顔料を使用します。耐久性が高く、色褪せしにくいのが特徴です。古民家の赤い柱に使われているのもベンガラ顔料の一例です。動物由来の塗料
蜜蝋(ミツロウ)由来などの天然ワックスが主成分の自然塗料もあります。木材に浸透して内部から保護し、自然なツヤを与える特徴があります。 乾性油は酸素と反応して硬化し、塗膜を形成するため、家具や床の仕上げに多く使われます。自然塗料とオーガニックペイントの違い
オーガニックペイントという塗料も最近は耳にしたことがあるでしょう。オーガニックペイントは抗菌薬や抗菌剤を含まない塗料で、化学物質が全く含まれていません。VOCが全く含まれないタイプは化学物質過敏症の方でも安心して使えるのが特徴です。より安全性を意識したカテゴリがオーガニックペイントとなり、特に子ども部屋やペットが過ごす空間で安心して選べるます。 自然塗料は天然素材を主成分とする塗料全般を指します。自然素材の塗料の安全性
VOCが少ない理由
自然素材の塗料は溶剤や添加物をほとんど含まないため、VOCが極めて少なく安全性が高いのが特徴です。
自然素材の塗料は、揮発性有機化合物(VOC)が少ないことで知られています。 VOCとは、ペイントや洗剤、接着剤などから揮発する有機化合物のことで、室内の空気を汚し、頭痛や呼吸器の不調などを引き起こす原因になります。自然素材の塗料は、通常の化学塗料に含まれる合成溶剤や添加物を可能な限り避けるため、VOCの含有量は非常に低く、安全性が高いのが特徴です。
たとえば「低VOC(Low‑VOC)」とは1リットルあたり50グラム未満、「ゼロVOC(Zero‑VOC)」とはさらに5グラム未満と定義されており、自然素材の塗料はその基準をしっかり満たしています。 その結果、においが少なく、塗装中や乾燥後も部屋の空気を清潔に保てるのが大きなメリットです。
子どもやペットへの安心感
自然素材の塗料は、子どもやペットがいるご家庭にとって安心できる選択です。一般的な化学塗料に比べて有害物質が少ないため、赤ちゃんや幼い子ども、ペットがいる場所でも気兼ねなく使えるのは本当に嬉しい点です。自然素材の塗料は、子どもやペットがいるご家庭にとって安心できる選択です。たとえば、小さなお子さんが壁にふれたり、ペットが舐めてしまうような場面でも、人体に取り込まれるリスクが低いので、安心感が違います。さらに、空気を汚すVOCが少ないことは、おなかにいる赤ちゃんへの配慮にもつながります。妊娠中の方にも安全性の高い塗料として推奨されています。
こういった安心材料は、「家族の健康第一」で選びたい人にとって、とても心強いです。
アレルギーや過敏症への配慮
アレルギーの方や塗料に敏感な方や自然素材の塗料は良い選択です。VOCやホルムアルデヒド、その他の化学物質が少ないため、目のかゆみ、肌のかぶれ、呼吸の苦しさなどの不調が起こりにくくなります。 実際に、病院や学校など、人が集まる場所で自然素材の塗料が使われる背景には、「敏感な体にやさしい」という意識の高まりがあります。<br> ただし、「低VOC」「ゼロVOC」と書いてあっても、VOCは入っている可能性があります。化学物質過敏症な方やシックハウスが心配な方、また赤ちゃんや小さなお子様がいる家庭では完全に無害なオーガニック塗料がおすすめです。
購入前には成分表示をよく確認することが安心につながります。
自然素材の塗料の選び方
用途別の選び方
まずは、どこに塗料を使いたいか、用途をはっきりさせることが選び方の第一歩です。たとえば、室内の壁に使うなら、においや刺激が少ない「低VOC・ゼロVOC、水性」の自然塗料やオーガニック塗料が適しています。安全重視の選び方ですね。
逆に、外壁や浴室など湿気や紫外線にさらされやすい場所では、耐候性や防水性のある塗料の方が適している場合もあります。 また、家具のように近くで見る部分には、自然な質感や色味を活かせるミルクペイント(粉末タイプ)なども人気です。具体的には、マットな仕上げや風合いが魅力という声も多くありますね。
「使用する場所」に応じて、通気性、耐久性、仕上がり感などを見極めるのが、自然素材の塗料選びでは大切です。また、使用する人に応じて、完全無害の塗料が必要か確認することも大切です。
カラーや質感の違い
塗料を選ぶときは、色の深みやテクスチャーにも注目しましょう。植物・鉱物由来の顔料は、とても深く落ち着いた風合いを表現します。たとえば、木材のぬくもりに合うソフトな色合いを出したい場合には、自然顔料がぴったりです。ミルクペイントのような自然塗料は、独特のマット感や古びた感じ(ヴィンテージ調)を出せることでも人気です。
ですので、色の選び方ひとつでも「ナチュラルで優しい雰囲気」「ビンテージ風」「マット仕上げ」など、仕上げたいイメージに合わせて塗料を選ぶと満足度が高まります。
コストと性能の比較
自然素材の塗料は、価格だけではなく、長い目で見たコストパフォーマンスで考えることが大切です。 実際に、自然素材やエコ系塗料は初期費用がやや高め(15〜30%増)になることが多いと報じられていますが、健康への安心感や長持ちする耐久性を考えると十分な投資価値があるとの意見も多数あります。具体的には、エコペイントは維持費が抑えられること、廃棄時の処理が簡単で費用削減になること、室内空気がキレイになり、健康へのコスト(医療費など)が減る可能性もあることが注目されています。
短期間の価格比較だけでなく、長く住む自宅での健康・メンテナンス・処分の手間などを含めて「総合的なコスト」で自然素材の塗料を判断するのが賢い選び方です。
認証や基準の確認
最後に、信頼できる塗料であることを判断するには、認証マークや成分の透明性を確認することが大切です。 第三者認証があると、VOCの低さと安全性が証明されていて安心です。自然塗料の中には、「水ベース=エコ」という表現を使いつつ、成分が曖昧な製品もあるので注意です。成分表示やメーカーの情報公開がしっかりしている製品は、長く信頼して使える安心材料になりますね。自然素材の塗料の使い方
室内壁の塗り替え

まず、壁の汚れやホコリをやさしく拭き取りましょう。ほこりや汚れが残っていると、仕上がりがざらついてしまいます。
次にしっかりと養生をしてペンキで汚れないように前準備をしてください。 塗る時は一度に厚塗りせず、薄く引き伸ばすように少しずつ塗るのがコツです。 均一に塗るだけで見た目が変わりやすく、乾燥ムラも避けられますし、Ecological Building Systemsでも「滑らかで長く持つ自然塗料のコツは、薄くてなめらかなストロークを重ねること」と紹介されています そして、乾燥時間をきちんと守ることも大切です。次のコートを重ねる前にしっかり乾かすことで、キレイに仕上がります。 以上のように、丁寧な下地処理と薄く重ねる塗り方で、自然素材の塗料はお部屋にやさしくなじんでくれますね。
木材や家具の塗装方法
木材や家具に自然素材の塗料を塗る場合は、下地の塗装の仕方と仕上げの工夫が大事です。まず、サンドペーパーなどで表面を軽く整えて、塗料が均一に吸収されるようにしましょう。 乾いた木材は表面の細かな凹凸が目立ちやすいので、少し磨いてなめらかにするだけで仕上がりがぐっと良くなります。 次に、ミルクペイント(乳タンパク由来の自然塗料)などは、粉末を水で溶かして使う必要がありますが、速乾性があり、味わい深いマットな質感が出せます。 たとえば、BHGでは「ミルクペイントは速乾でマットな仕上がりが得られ、家具のDIYに人気」と紹介されています。 さらに、色ムラや傷を防ぐためには上塗り後に“バーニッシング”や“シーラー”をかけると良いですよ。木目を残しつつ強度もアップします。
こうして丁寧に塗れば、大切な家具も自然素材の塗料できれいによみがえります。
DIY初心者のコツ

まず、一部屋まるごと塗る前に、小さな板や家具の裏側などで“テスト塗り”をして、乾くとどうなるか確認しましょう。色合いや質感、乾き具合がわかるので安心です。
次に、使う道具は“柔らかく、ムラが出にくいローラーや刷毛”を選びましょう。自然素材の塗料は重ね塗りとてもきれいに仕上がるので、滑らかに延ばせる道具が仕上がりを大きく左右しますまた、顔料タイプの場合は、小さじやテーブルスプーンなどで配合の割合を記録しておき、後で同じ色を再現できるようにしておきましょう。たとえば、DIYペイントの例では、カップに小さじ単位で色を混ぜて配合を調整し、同じ仕上がりを再現する工夫が紹介されています
このように事前の準備と少しの工夫で、DIY初心者さんでも自然素材の塗料を楽しく、安全に塗ることができますよ。